2016 Fiscal Year Annual Research Report
Experimental study on mechanical and hydraulic properties during lithfication of sediments and fault gouge
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26870918
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
野田 博之 京都大学, 防災研究所, 准教授 (50619640)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 変形実験 / 脆性塑性遷移 / 実験技術開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画において、三軸変形試験機を用いた変形実験は中核部に位置する。現在日本で稼働中のガス圧式高温高圧三軸変形試験機の多くは、スプリットピストン機構(圧力容器内部で載荷コラム軸を分断する事により、載荷前の状態を完全に等方応力にする)を有しておらず、正確な軸力の測定が困難であった。圧力容器内部で軸力を測定する「内部荷重計」が装備されている試験機に関しても、出力が温度・封圧の変化に対してオフセットを起こすため、軸力ゼロに対応する出力を直接得る事が出来ない。未-半固結試料や、高温下で容易に塑性流動を起こす試料など、強度の低い試料を用いて実験を行う際には、試験機の摩擦摺動部の抵抗が試料の強度に比べて無視できず、測定した力学的性質に大きな誤差が含まれる事が考えられた。この問題点は本研究計画がスタートした当初からの懸念事項であった。
本研究計画中に数多くのアナログ低強度試料に関して変形実験を行ったが、その際に測定した内部・外部両荷重計からの出力の差を取る事で、試験機の摩擦摺動部の抵抗の時間変化を見積もる事ができる点を見出した。この抵抗について単純な摩擦モデルを仮定する事により、試料が支えている軸力の絶対値を見積もる事が可能となり、低強度の試料に関する力学データが大幅に改善された。本成果は英文の査読論文として J. Geol. Soc. Japan に発表した。本成果により、高温高圧変形実験の力学データの見直し及び新規実験の精度が向上する事が期待できる。
本計画開始時に使用を予定していた広島大学のガス圧式三軸変形試験機の故障、及び申請者の異動の為、最終年度開始時に研究計画を一部変更し、京都大学において剪断変形試験用の試験機の立ち上げを計画した。本経費を用いて必要消耗品や温度調節器を購入し、試運転を行い力学データを取得できる状態となった。
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Research Products
(4 results)