2016 Fiscal Year Annual Research Report
Can heart rate variability analysis determine the cardiac recovery on ventricular assist device?
Project/Area Number |
26870922
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
岸本 諭 鳥取大学, 医学部附属病院, 助教 (60714532)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 心拍変動解析 / 補助循環 / 心不全 |
Outline of Annual Research Achievements |
【最終年度】平成27年度に臨床現場における心拍変動解析(HRV)の方法を検討し、心電図モニターからリアルタイムに心電図信号を受信してHRVを解析する方法を確立した。平成28年度は実際に左室補助循環装置(LVAD)を装着した患者を対象に、日常診療の範囲内でモニター心電図からHRV解析を試みた。重症心不全のためにLVADを装着した患者1名にHRV解析を行った。本患者において、LVADが取り外せるかを判定する離脱試験を施行した際にHRV解析を施行し得た。LVADを装着した状態から、LVADを停止し、数分間循環動態の変化を観察した。また生理食塩水を急速点滴静注し、前負荷をかけて同様に血行動態を計測した。この間、心電図をリアルタイムに解析した。本患者は十分心機能が回復していたため、循環動態に大きな変動を認めなかったが、HRV指標はこの間、大きく変動した。試験中患者は覚醒状態であり、点滴挿入の痛みや、試験中の声かけ、息止めなどが自律神経系に作用した可能性を考えた。一定の傾向を見出すことはできなかったが、循環動態安定している状態では、HRVはそれ以外の部分に影響され、大きく変動する可能性が示唆された。残念ながら本患者が心機能を回復してゆく過程は集中治療室に解析装置を置くことができず施行し得なかった。 【研究機関を通して】本研究はLVADを装着した患者の真の心機能を侵襲なく測る方法がないという点、自律神経機能が心機能と密接にかかわるという点から、自律神経機能が新しい心機能の指標となるかという着想のもとスタートした。多くを動物実験にあて、成ヤギを用いた心不全モデルに対してLVADを装着し、血行動態、心機能の回復過程とHRVを連続的に測定し得た。得られたデータは限定的ではあったが、HRVはLVAD装着状態の全身状態の指標として有用である可能性が示唆された。
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