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2014 Fiscal Year Research-status Report

preplay現象のヒトにおける実証と,その計算論的意義の解明

Research Project

Project/Area Number 26870934
Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

倉重 宏樹  慶應義塾大学, 先導研究センター(三田), 研究員 (80513689)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2018-03-31
KeywordsfMRI / 学習 / 記憶 / 自発脳活動 / デコーディング
Outline of Annual Research Achievements

本研究では,ヒトにおける記憶・学習に脳の自発活動がいかなる役割を果たすのかを解明することにある.とくに,本研究では神経デコーディングの手法を用い,学習対象の神経表現が,自発脳活動によって学習に先行して準備されていることが,対象の学習可能性に影響するという仮説を検証し,またそのような学習が計算論上どのような性質を持つのかを調べることを目的とする.
初年度はまず,神経表現を学習した神経デコーダを自発脳活動に適用する検討を行うことで,自発脳活動の神経デコーディング解析の方法論の確立をした.とくに,日常的によく行う2種類の運動について,各運動を表現するfMRIマルチボクセルパターンを機械学習法によって同定し,その同定されたパターンが自発脳活動中に含まれていることがわかった.この検討は,単に自発脳活動に対する神経デコーディング解析の方法を確立するのみならず,自発脳活動が従来考えられていたよりも精緻なレベルで組織化していることを確認したことになり,神経科学上の意義もあった.
また,さらなる自発脳活動の検討として,大規模データベースを用いたメタアナリシスにより種々の認知機能に対応する脳部位を同定し,その脳部位間の機能的結合を自発活動fMRIより求め,認知機能同士が脳内でいかなる関係性を持っているかを調べた.この検討により,自発脳活動データの特質をよく把握するとともに,ヒトにおける「認知全体」の見取り図を同定した.
また,本年は自発脳活動の処理の方法論の確立のほか,被験者に課す学習課題の検討を行った.現時点ではまだ課題の確立までには至っていないが,次年度早期の確立を目指している.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本実験を行うための事前検討として,自発脳活動からの神経デコーディング法の確立と,被験者に課す学習課題の確立がある.初年度にはこの二つを完遂し,本実験へと進むことが目標であった.本年はこれを並行して行った.研究実績の概要欄に記したとおり,自発脳活動からの神経デコーディング法の確立については十分な達成であったと思われる.とくに,単に手法を確立したのみならず,神経科学上重要性のある発見を行えた事から,この項についての達成が目標以上のものであったと評価できる.
しかしながら,被験者に課す学習課題の確立については,試行錯誤を行い,ある程度の進展はあったものの,完遂することはできなかった.したがって,この項に関しては当初予定していたほどの達成度は得られなかったと考える.
以上を総合すると,研究全体として,若干ながら遂行に遅れがあると考える.

Strategy for Future Research Activity

次年度において,まず行うことは被験者に課す学習課題の確立である.本研究では空間ナビゲーション課題とオブジェクト-位置連合記憶課題の2種類の学習課題を被験者に課す予定である.空間ナビゲーション課題においては,被験者の学習パフォーマンスが本研究の仮説を検証するに十分な程度に調整されていることと,デコーディングに十分なfMRI信号を得られることの二つを同時に満たすためには慎重な調整が必要である.これは本研究の成否のカギを握るため,とくにこの点に注力して課題作成を進める.
また先述のとおり,初年度は自発脳活動からの神経デコーディング法の確立は完遂することができた.また,その結果として神経科学上重要性がある発見を行うことができた.したがって,そのまとめを行い,論文の執筆および投稿を行う予定である.

Causes of Carryover

次年度使用額が生じた理由として,まず,予定していたワークステーションの購入を行わなかったことがある.これは,ワークステーションを所属研究室の別の予算で購入したためである.また,実験課題に用いるプログラムの一部を外部委託する予定であったが,試行錯誤の容易さから,自身で開発するように予定を変更したことによる.また,被験者に行わせる課題が確立に至らなかったため,その分の被験者謝金の使用が今年度は生じなかったことも,次年度使用額が生じた理由である.

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度の使用予定の主なものとして,MRI実験の被験者謝金としての支出を計画している.現在一人につき二日に分けた実験を予定しており,一人2日×8000円/日の謝金を予定している.被験者人数は60~80人程度を考えており,予備実験を含め1,300,000円程度を被験者謝金として支出する予定である.また今年度および次年度に得られた成果の一部を論文や学会等で発表する際の経費としての使用を計画している.これには500,000円程度の支出を予定している.また研究会等への参加のための,交通費,宿泊費,研究会参加費としての使用を計画している.これには300,000円程度の支出を予定している.また,書籍,パソコン等の小額物品の購入を予定している.

  • Research Products

    (1 results)

All 2015

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] Whole-brain as network among cognitive functions / 認知機能間ネットワークとしての全脳情報処理システム2015

    • Author(s)
      倉重宏樹, 山下祐一, 大須理英子, 大高洋平, 花川隆, 本田学, 川畑秀明
    • Organizer
      脳と心のメカニズム第15回 冬のワークショップ
    • Place of Presentation
      北海道・蛇田郡留寿都村
    • Year and Date
      2015-01-07 – 2015-01-09

URL: 

Published: 2016-06-01  

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