2014 Fiscal Year Annual Research Report
実世界知識データベース構築のための自律撮影ロボット行動計画に関する研究
Project/Area Number |
26880004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金崎 朝子 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 助教 (00738073)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 物体認識 / 自律移動ロボット / 人工知能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,実世界における有用な画像データベースを自動構築する自律移動ロボットを提案し,ロボットの行動計画について研究開発と実装を行う.提案するロボットの行動計画は,下記の二段階からなる.第一に,色・距離センサを用いて背景から分離可能な「物体らしさ」を評価し,認識された物体に対して接近する.第二に,周囲の人を検出して,人が見たり触ったりした物体を検出する. 初年度は,特に第一の行動計画に焦点を当て,新規の手法の開発を行った.色画像を用いて「物体らしさ」を評価する手法は多くあるが,距離センサを併用するものはまだ数が少ない.色画像だけでなく距離画像の情報を活用し,物体を三次元的にとらえることで,煩雑な環境下でもより高い精度で「物体らしさ」の評価を行うことができる.初年度は色・距離画像を用いて「物体らしさ」を評価し,未知の物体を抽出する手法を新たに開発して,論文投稿を行った.また,画像および色・距離画像からの物体検出手法に関して,特徴量の取り方,および高速に物体のマッチングと精度評価とを行う手法を提案し,さらなる開発をすすめた. 本研究の成果として,画像からの物体検出処理において重要となる対称性を考慮した特徴量抽出手法について,国際会議ICIPで発表を行った.また,色・距離センサから得られるカラー三次元データの性質を活かした実世界からの物体検出手法について,国際会議3DVで発表を行った他,国内会議で3件の口頭発表を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した研究計画では,実世界における有用な画像データベースを自動構築する自律移動ロボットの行動計画として,二つの戦略を提案した.このうち,第一行動計画において核となる「物体らしさ」の評価手法について,新規の手法を開発し,実装・実験・評価,および論文投稿を行った.また,使用する自律移動ロボットの試作を行い,プラットフォームを開発した.以上のことから,本研究課題はおおむね順調に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
実世界における有用な画像データベースを自動構築する自律移動ロボットの行動計画として,昨年度実装した第一行動戦略に加え,第二行動戦略を実装する. 第一行動戦略は,色・距離センサを用いて背景から分離可能な「物体らしさ」を評価し,認識された物体に対して接近するというものであった.第二行動戦略は,人を検出して,人が見たり触ったりした物体を検出するというものである.第一の戦略は「物体らしい」物体への注目を可能とするものであるが,小さい物体や見えにくい物体ではあるが重要な物体(例:家の鍵)に注目することができない.そこで,重要な物体は過去に人が注目した形跡があるという仮定に基づき,第二の戦略をとる.まず,ロボットの色・距離センサを用いて人を検出する.昨今の人検出技術の発展は目覚ましく,さらに検出した人の骨格と姿勢を推定するアプリケーションが標準実装されたセンサも存在する.このようなアプリケーションを用いて,人と接触のある物体に注目する.また,全自動的な物体検出が難しい場合は,そこに居る人に尋ねるという方法をとる.具体的には,ロボットが人に対して「それは何ですか?」あるいは「持っている物を見せてください」等の言葉を発して行動を促す.また,「写真を撮っていいですか?」といった発話により,写真を撮りやすい状況をつくるという行動戦略も実装する. 最後に,第一行動戦略と第二行動戦略を統合したシステムを開発・実装する.開発したシステムを用いて,キーワード検索可能なデータベースを自動構築する.システム評価のためには,遠隔操作ロボットを購入し,評価用のシステムを開発・実装する.遠隔操作ロボットはWebブラウザとキーボード入力等を用いて人が簡単に操作可能であるため,これを用いて画像データベース構築の評価基準を作成できると考えている.そして作成した評価基準を基に,システムの評価実験を行う.
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[Presentation] 対応点集合類似度学習を用いた剛体・非剛体物体検出2014
Author(s)
金崎 朝子, Emanuele Rodola, Daniel Cremers, 原田 達也
Organizer
Pattern Recognition and Media Understanding (PRMU)
Place of Presentation
幕張メッセ国際会議場(千葉県、美浜区)
Year and Date
2014-10-09 – 2014-10-09
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