2014 Fiscal Year Annual Research Report
有線と無線が混在する通信環境における低負荷・高精度ネットワーク品質計測技術の確立
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26880008
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
渡部 康平 長岡技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10734733)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | ネットワーク計測 / QoS / パケット遅延 / アクティブ計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
有線と無線が混在する通信環境においても利用可能な低負荷・高精度ネットワーク品質計測技術を確立するため,低負荷かつ高精度に計測する技術を複数の異なるアプローチに基づき開発した.ネットワークのエンドツーエンドの通信品質を計測するアクティブ計測は,計測に際して試験パケットを送出するため,多数の試験パケットを送出すると試験パケットの負荷による通信品質の劣化が発生してしまう.この品質劣化は帯域制約の厳しい無線通信において顕著に現れることが予想されるが,無線の通信品質に試験パケット負荷が与える影響は評価されていなかった. 26年度における研究では,ルータを待ち行列モデルによりモデル化することにより,試験パケットがネットワーク品質の計測精度に与える影響をモデル化し,従来のアクティブ計測による計測では,計測精度に構造的な限界が存在することを示した.モデルにより,試験パケットの負荷による計測精度の劣化を定量的に議論することが可能になり,アクティブ計測による低負荷かつ高精度な計測を実現するための基礎を築くことができた.加えて,プローブ送出の動的制御手法,バイアスを補正するアクセス遅延推定法,および圧縮センシングを利用したアクティブ計測の開発にも取り掛かり,アルゴリズムを構築することができた.これらの手法の有効性については,実環境における十分な検証は完了していないものの,シミュレーションによる評価を一部行い,良好な結果を得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り,試験パケット負荷のモデル化を待ち行列モデルにより行うことができ,試験パケット負荷による従来のアクティブ計測の計測精度の限界を示すことができた.また,研究計画で挙げたレート制御,通信品質の時間的・空間的構造の利用,圧縮センシングによる再構成についても良好な結果が得られた.
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Strategy for Future Research Activity |
プローブ送出の動的制御手法,バイアスを補正するアクセス遅延推定法,および圧縮センシングを利用したアクティブ計測の有効性を検証するため,様々な環境下におけるシミュレーションによる検証を重ねる.加えて,実環境に近い状態での実験も行い,提案手法の有効性を確認する.
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