2014 Fiscal Year Annual Research Report
時間発展するネットワークの解析技法の開発と時空間高解像度データ解析への応用
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26880020
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
島田 裕 東京理科大学, 工学部, 助教 (50734414)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 非線形時系列解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
時空間高解像度データをネットワークにより表現し,そのネットワークの構造の時間発展を解析することで,元のデータに潜む時空間構造を明らかにするための解析手法開発が本研究の目的である.従って,ネットワークの時間発展規則をどのように効率的かつ効果的に捉えるのかが,非常に重要である. 当該年度では,ネットワークの時間発展規則を検出・同定する解析技法の開発を行った.具体的には,各時刻にネットワークの構造がどれだけ変化したのかを求めるため,二つのネットワーク間の距離を定義した.既にグラフ編集距離やハミング距離など,ネットワーク間の距離を与える方法が存在するが,頂点数や枝数のみに着目した従来手法では近年の複雑ネットワーク分野で培われた知見が全く考慮されていない.したがって,本研究では,複雑ネットワーク分野で培われた知見を導入した新たな距離を定義した. 具体的には,ネットワーク中の結合が密な頂点集団(クラスター)に着目し,二つのネットワーク間のクラスター構造の差異を距離計算に応用した.クラスターはネットワーク構造を特徴付ける上で非常に重要な概念であり,ネットワーク間の違いを表す効果的な距離となりうる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H26年度の達成目標として,当初研究目的では,申請書の研究計画に記載した項目 (I) 多様なネットワークの時間発展規則を捉えるための解析技法を開発することとした.現時点で手法自体はすでに完成しており現在その成果を学術論文として執筆中である.現時点ですでに論文が投稿・採録されていることが望ましかったが,当初研究目的の最低ラインは達成できているため,上記区分"(2)概ね順調に進展している"とした.
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Strategy for Future Research Activity |
現在まで,当初計画通りに研究課題が進展しているため,当初の研究計画通りに平成27年度も研究活動を行っていく.
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