2014 Fiscal Year Annual Research Report
激甚災害でも通信・通話継続するセッション制御サーバのデータ管理方法の確立
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26880021
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
上田 清志 日本大学, 工学部, 教授 (00738429)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 高信頼システム / 負荷分散 / データ分散管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,東日本大震災のような激甚災害が発生しても通信・通話が継続できるように,要となるセッション制御サーバの構成をロケーションワイドにコントロールするスケールアウト型のアーキテクチャを確立しその効果を検証するものである.通信呼処理のスケールアウト型分散処理の機構とあわせて呼処理共通のデータを管理する機構を明らかにする. データ管理クラスタの読み出しが多い(データ変更が少ない)特性に着目し,高信頼化の要件から冗長化のために保持している複製データを活用し読み出しアクセスを分散させる方法を確立した.セッション制御サーバでは,呼処理の中で同時接続数データ等の書き込みを行う必要があるため,書き込みの応答時間もミリ秒オーダの短さとなるよう,データ書き込み時にはマスターデータ書き込み受付時に複製データ更新キューを積み複製の更新とは非同期に応答を返したうえで,マスターと複製の双方にアクセスできる読み出しアクセス分散方式を確立した.プロトタイプ実装し,フィージビリティを確認するとともに,性能評価し特定データへの集中アクセスに対しても目標性能を達成できることを確認した. データアクセス頻度に着目した仮想ノードへのデータ割り当て方法による分散の実現方法を確立する.範囲key アクセスを効率化するハッシュ関数の単調連続関数を使用し,仮想ノードID 数が膨大にならない,単一key アクセスの負荷分散性を得る方法として,仮想ノードID の割り当てをアクセス頻度が高い領域に重点的に行う.局所的に集中するアクセス分布を疑似的に生成し,ランダムに仮想ノードをばら撒く従来方法と提案方法での各サーバへの分散効果を,数台のPCサーバを使い仮想的に大規模サーバクラスタを疑似するシミュレーション実験により比較評価した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では,研究課題と評価検証を分割し,各マイルストンでの進捗状況をチェックするとともに達成内容をもとに研究実施内容とスケジュールを見直すことにより,全体としての進捗を遅らせることなく,研究を進めている.具体的には,呼処理共通のデータの効率的な管理方法であるアクセス頻度を考慮する観点と,多重データへのアクセス分散の観点を段階的に検討し,その評価を26年度の最小構成検証環境を利用したシミュレーション実験から,27年度のプロトタイプ実装によるフィージビリティを含めた検証へ検証範囲を段階的に広げる. 複製データを用いたアクセス分散方式については,予定通り処理方式を確立するとともに,シミュレーションによる効果確認した.それに加えて,プロトタイプ実装評価にてフィージビリティを確認するとともに,性能評価し特定データへの集中アクセスに対しても目標性能確認まで達成した. また,アクセス頻度を考慮したデータ割当についても,予定していた方式の確立とシミュレーションによる効果の一次検証を達成した.
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Strategy for Future Research Activity |
データアクセス頻度に着目した仮想ノードへのデータ割り当て方法による分散の実現方法の確立に取り組む.範囲key アクセスを効率化するハッシュ関数の単調連続関数を使用し,仮想ノードID 数が膨大にならない,単一key アクセスの負荷分散性を得る方法として,仮想ノードID の割り当てをアクセス頻度が高い領域に重点的に行う.シミュレーション実験の結果を分析・考察し,実現方法を見直していく. セッション制御サーバのプロトタイプを実装し,動作確認および性能評価を行い実装フィージビリティを確認する.動作確認に加えて,データ管理クラスタのスケーラビリティを検証するため,呼処理からのデータアクセスを模擬した疑似呼を用いシステムの高負荷状態の限界まで検証する.同様に,複製データへの読み出しアクセス分散方式のフィージビリティを検証する.
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