2014 Fiscal Year Annual Research Report
学問分野間関係の計量科学社会学の試み:内的/外的要素を総合した歴史分析
Project/Area Number |
26882013
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堤 孝晃 東京大学, 社会科学研究所, 助教 (10734642)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 社会科学 / 学問分野 / ディシプリン / 計量科学社会学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、学問 間関係のあり方の変化を計量的手法によって捉えることを目的とする、いわば「計量科学社会学」の試みである。その事例として、社会科学系学問分野のなかから、「教育学/教育社会学/社会学」の3学問を取り上げ、その関係の変化を明らかにする。また、本研究では、学問分野を捉えるための枠組みとして「ジャーナル共同体」という概念を採用し、日本教育学会・日本教育社会学会・日本社会学会という3つの学会を具体的な分析対象とする。 上記の目的に照らし、本年度は分析を行うためのデータセットの作成を行った。分析項目は、ジャーナル共同体を構成する「内的要素/外的要素」の2側面に分けられる。具体的には、内的要素として学会機関誌掲載論文の、A:本文すべて、B:採用されている方法論(教育学会は除く)、C:引用文献の3つに関するデータベースを作成した。また、外的要素として、D:学会の会員情報、E:理事・編集委員に関するデータベースを作成した。 このデータベースにより、ジャーナル共同体のあり方およびその歴史的な変化を、実証的に、かつ多角的に分析の上、学問領域同士を比較できる準備が整ったといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、上記の各項目のデータベースの構築に専念した。各種データベースおよび学会機関誌から必要な情報を抽出しデジタルデータ化する作業は、論文に関する専門知識と判断を要するものであり、当初の想定よりも外注には多くの費用が必要となった。したがって、自身で印刷情報から書き起こしを行いデジタル・データ化することに大きな労力を割かざるを得なかった。結果として、当初予定していた項目についてデータベースへの入力は完了したが、分析を行う前提として若干のクリーニング作業を行う必要が残された。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である次年度の前半では、まず構築したデータベースのクリーニング作業を行った後に、単純集計を学会間で比較しながら、分析の見通しをつけることとする。次に、次年度の後半では当初の計画通り、各要素および3学会を横断した分析を行い成果を公表していく予定である。なお、当初より想定されていた通り作成した各種データは相互に形式や質がかなり異なるものであるため、分析する際に注意深くそれらデータの特質や相互の関係を把握することが大きな課題となる。
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