2014 Fiscal Year Annual Research Report
日常的配置換え行為を通した他者の意図理解に関する生態学的研究
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26882017
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
青山 慶 東京大学, 教育学研究科(研究院), 助教 (60736172)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 意図理解 / 配置 / 遊離物 / 生態学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、日常的環境における遊離物の配置に見られる固有のダイナミクスが、他者の意図理解を支える基盤であることを検証しながら、共同活動発達の生態学的基盤の理解へと発展させることを目的とするものである。 本年度は、以下の成果を上げた。 課題採択以前に取得済みのデータを用いたデータを行った。このうち、日常生活場面での遊離物と家具がもたらす出来事に注目した分析は、発達心理学会第26回大会において「配置換えに埋め込まれた他者の意図の知覚に関する研究」というタイトルにて報告された。積木を用いた母子による遊び場面に注目した分析は、The 18th International Conference on Perception and Action(知覚と行為の国際会議)に採択が決まっており、「 Observing development of the play system through block play」というタイトルで報告される予定である。 関連する先行研究や資料のリサーチを行った。その成果の一部として、発達心理学会第26回大会シンポジウム「システムの発達」において理論的検討を行うとともに、ラウンドテーブル「動きと構造がであう」において隣接分野における関係の深い研究者を交えた議論の場を企画した。 本研究課題と関連の深いJ.J.ギブソンのテキストの翻訳と解説を行い、学会誌生態心理学研究第8号において「エンカウンターに関する覚書」、「“エンカウンター”を読む―不可避な未来の知覚,その制御としての行動」として発表された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、ほぼ当初に計画していたとおりに研究を進めることができた。特に、すでに取得済みのデータを用いた分析においては、初年度内に学会報告を行ったことは、当初の予定以上の成果であったといえる。 理論的検討という側面においても、二つの企画を通して大いに深めることができた。次年度に予定されている実証的研究に向けた準備も、機材を含む環境の整備も順調に進んでおり、ほぼ当初に計画されていた通りである。そのうえで一部は実験協力者を得ることができたため、データの収集の準備ができている状態となっている。以上の結果より、ほぼ予定通りの進行であるとした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度はほぼ予定通りの進展となっている。したがって、平成27年度も申請書の計画に従った進行をおこなうことを目標としたい。 第一に、すでに採択が決定しているThe 18th International Conference on Perception and Action(知覚と行為の国際会議)において、報告を行う。本国際会議は、本研究課題にもっとも関係の深い国際学会である。報告を行い議論を深めるだけではなく、国際水準での研究の動向への見聞を深める機会とする。 第二に平成27年度に計画されている実験の実施に向けた準備を進める。すでにデータ収集の開始の準備ができているものに関しては、できるだけ早い時期にデータの収集を開始する。データが一定量集まり次第、スムースに分析を開始するために、機材と環境を整える。 第三に、平成26年度中の学会報告「配置換えに埋め込まれた他者の意図の知覚に関する研究」と、平成27年度中の学会報告「 Observing development of the play system through block play」の内容を深め、学会誌論文として発表することを目指す。
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Research Products
(5 results)