2015 Fiscal Year Annual Research Report
筋性拘縮の発生メカニズムの解明と新たなリハビリテーションの治療戦略の開発
Project/Area Number |
26882030
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
本田 祐一郎 長崎大学, 病院(医学系), 技術職員 (40736344)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 不動 / 筋性拘縮 / 線維化 / 電気刺激 / TGF-β1 / 低酸素状態 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は「筋性拘縮の発生メカニズムを踏まえた新たなリハビリテーションの治療戦略の開発」を主目的として掲げ,昨年度の成果をパラメーターとして筋性拘縮に対する電気刺激療法の至適周波数を検討し,その生物学的効果を検索した.実験動物には8週齢のWistar系雄性ラットを用い,1)対照群,2)ギプスを用いて両側足関節を最大底屈位で4週間不動化する不動群,3)不動の過程で10Hz の刺激周波数による電気刺激によってヒラメ筋に単収縮を負荷する単収縮群,4)同様に50Hz の刺激周波数によってヒラメ筋に強縮を負荷する強縮群に振り分けた.なお,電気刺激は刺激強度4 mA,パルス幅250μsの条件で,30分/日(6回/週),延べ4週間,それぞれの収縮様式で筋収縮運動を負荷した.実験期間終了後はヒラメ筋をreal time RT-PCR法に供し,線維化関連分子のmRNA発現量を定量化した.結果,HIF-1αやTGF-β1,α-SMA,タイプIコラーゲンのmRNA発現量は不動群,強縮群ともに対照群に比べて有意に高値であったが,単収縮群と対照群の間には有意差を認めなかった.一方,タイプIIIコラーゲンのmRNA発現量は対照群,単収縮群,強縮群の間に有意差を認めず,不動群はこれら3群より有意に高値を示した.以上の結果から不動の過程で骨格筋に単収縮を負荷すると低酸素状態が緩和されるとともに,TGF-β1の発現抑制や線維芽細胞から筋線維芽細胞への分化ならびにコラーゲン産生が軽減することが示唆され,線維化の進行を抑制する効果が認められた.一方,強縮群の結果から不動の過程で骨格筋に強縮を負荷しても線維化の進行を抑制する効果は認められないといえる.つまり,筋性拘縮の治療戦略に電気刺激を用いる際は,単収縮を誘発する刺激周波数が有用であると推察される.
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Remarks |
http://www.am.nagasaki-u.ac.jp/pt/basic_pt/index.html
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Research Products
(10 results)