2014 Fiscal Year Annual Research Report
変形性膝関節症患者の膝関節に生じる力学的ストレス評価システムの開発と臨床応用
Project/Area Number |
26882034
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Research Institution | Hokkaido University of Science |
Principal Investigator |
井野 拓実 北海道科学大学, 保健医療学部, 助教 (70736339)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | リハビリテーション / 変形性膝関節症 / 運動分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は動作時の膝関節に生じる力学的ストレスを簡便に計測するシステムを開発し、変形性膝関節症の保存治療における新しい評価手段を確立することである。変形性膝関節症の保存治療においては膝関節の力学的ストレスを減じることが重要である。しかし膝関節に生じる力学的ストレスを計測するためには大規模かつ高額な実験装置が必要であり、臨床現場においてこれらは現実的ではない。 本研究では家庭用ゲーム機として開発されたKINECTセンサおよびWiiボードを用いて膝関節に生じる力学的ストレス(外部膝内反モーメント)を簡便に推定するシステムを構築する。H26年度はKINECTセンサより関節座標を算出するプログラムを開発、検討した。また、先行研究において一定の精度検証がなされている三次元動作解析装置との同期計測による精度検定も実施した。その結果、KINECTセンサより身体重心は概ね良好な位置推定が可能であることが判明した。しかし、膝関節位置については検出範囲に限界があり、KINECTセンサより概ね1.0~4.0m以上の計測空間ではノイズが増大することが明らかとなった。またWiiボードとノートPCのBluetooth接続を確立し、床反力作用点位置および床反力鉛直成分の算出が可能となった。こちらについては良好な精度であった。 加えて、健常成人および変形性膝関節症例のキネマティクスおよびキネティクスの検討を行い、今後推定する力学的パラメータ参考となる基礎データを構築した。 現在、マイクロソフト社より新たに発売されたKINECTセンサver.2を活用したシステム、さらに複数台使用による精度向上の検討を行っている。更にはVisual 3Dによる関節モーメントの計算プログラムを検討し、発展的な解析プログラムの開発に取り組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の計画は、センサよりデータの抽出および解析を行うこと、また三次元動作解析システムとの同期計測を実施することであった。何れも概ね予定通り実施された。しかし、誤差の補正やデータ解析上の課題も見つかり、これらについては平成27年度の懸案事項である。
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Strategy for Future Research Activity |
前述の如く、センサの計測精度の向上が課題である。これらについてはKINECTセンサのver.2を用いること、複数台使用を検討すること、Visual 3Dを用いて解析プログラムを改善することなどにより対応する。また、本システムを用いて実際の生体データを計測することは今年度の達成目標である。
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Research Products
(6 results)
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[Presentation] 膝関節の動作解析2014
Author(s)
井野拓実、大越康充
Organizer
第52回 北海道膝関節研究会
Place of Presentation
札幌
Year and Date
2014-09-06 – 2014-09-06
Invited