2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26882039
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
田中 未来 東京理科大学, 理工学部, 助教 (40737053)
|
Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
|
Keywords | 最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では, 現実的な制約条件を考慮しつつ, 燃料の総消費量を最小化する港の訪問順・航路・船速を求める問題を扱う. 具体的には港に出入りできる時間帯や港を訪問する順序の先行関係などといった様々な条件を考慮しつつ, 港の訪問順, 航路 (2 港間をどのように移動するか), 各時点での船速を決定する必要がある. 平成 26 年度は, 問題のモデル化と最適化ソフトウェアを用いた計算機実験ならびに緩和と列挙に基づく効率的なアルゴリズムの開発を行なった. 問題のモデル化では, 船舶の航路と船速を決定する問題を混合整数非線形最適化問題として定式化し, それをさらに混合整数 2 次錐最適化問題に等価変換した. 混合整数 2 次錐最適化問題の定式化では, perspective 再定式化と呼ばれる方法を用いて問題を等価変形することで最適化ソフトウェアが高速に最適解をできるようになることを明らかにした. この研究成果は論文としてまとめ, 現在投稿中である. 緩和と列挙に基づくアルゴリズムの開発では, 上述の混合整数 2 次錐最適化問題に対する良質な解を現実的な時間で求めるために, 緩和問題を用いて航路を列挙し, 列挙した航路のそれぞれについて船速を最適化するアルゴリズムを考えた. BDD や ZDD に基づく列挙アルゴリズムとの比較を行なった結果, 緩和問題を最適化ソフトウェアを用いて解くことで航路を列挙する方が計算時間の面で優れていることがわかった. この研究成果は現在論文にまとめている最中である. また, 不確実性を考慮したスケジューリング問題についても研究を進めた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究ではグラフ上の路の列挙に基づくアルゴリズムを開発する予定であり, 当初は各反復で混合整数最適化問題を解き最適解の候補となる路を取り出す予定であった. 一方で, BDD や ZDD と呼ばれるデータ構造を用いたグラフ列挙アルゴリズムがここ数年で目覚ましい進歩を遂げており, これらのアルゴリズムと比較を行なう必要が生じている. 一方で, 入手が困難である可能性のあった海流のデータを日本海洋データセンターから入手できており, 全体としての進捗はおおむね順調であるといえる.
|
Strategy for Future Research Activity |
今後はアルゴリズムに関する研究成果を論文にまとめて国際誌に投稿する予定である. また, データに不確実性がある場合などへの拡張を行なう予定である. また, 他の交通に関する問題への応用や拡張などを扱うことも考えられる.
|