2014 Fiscal Year Annual Research Report
自動車修理板金塗装技術者のための自学自習システムの開発
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26882052
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
高井 由佳 大阪産業大学, デザイン工学部, 講師 (90626368)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 習熟 / 自動車修理 / 板金 / 塗装 / 三次元動作解析 / 技術者教育 / 教育工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、自動車修理における板金塗装の熟練技術者の動作の特徴抽出のため、熟練技術者および非熟練技術者の動作の解析を行うことを目的としていた。 本実験に賛同いただけた、自動車修理用教本出版社、車両整備協同組合、塗料メーカーとの話し合いを何度も持ち、当初想定していたよりも大きな規模で動作解析実験の実施が可能となった。 さらに、当初想定していた、被験者の動作(三次元動作および把持力)以外にも、仕上がりの評価として、塗装においては測色および膜厚計測を、板金に関しては音響測定および形状測定を実施した。これらの測定は平成26年度末に実施したため、解析が終了しているのは測色および膜厚計測結果のみである。いずれも熟練者はばらつきが少なく、非熟練者は部位によるばらつきが大きいことが明らかとなった。 上記の板金塗装動作解析実験の打ち合わせと並行して、塗装におけるスプレーガン運行の三次元動作測定の解析を進めた。この結果、熟練者のスプレーガンの運行は、非熟練者よりも距離が長く、時間が長く、速度が速く、上下動の幅が狭いことが明らかとなった。さらに、非熟練者は、まず仕上がりを重視して作業を行い、習熟度が高まり一定の仕上がりが達成できた後にスプレーガン運行の速度調整が可能になることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画段階では、板金の動作解析は26年度中に終了する予定であった。しかし、最終目標である教育システムの内容をより有効なものにするため、交付決定後に新たに自動車修理用教本出版社、車両整備協同組合に研究に参加を依頼し、数回にわたる話し合いを持った。この結果、実験の実施施設や被験者の調整を鑑み、平成26年度3月に数日にわたり測定の実施が可能となった。このため、動作の解析を26年度中に全て終了することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度に行った測定の解析を進めると共に、熟練技術者の意思決定プロセスの解明のための インタビューを行う。さらに、全ての結果を取りまとめ、非熟練技術者用の教育コンテンツを作成し、効果の検証を行う。
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