2014 Fiscal Year Annual Research Report
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26884004
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
黄 緑萍 東北大学, 文学研究科, 研究員 (80732734)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 流行神 / 宗教学 / 民俗学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、流行神に関して、(1)新聞など文献資料の精査と、(2)個別な事例の収集と分析という二つの部分を実施した。 昨年度においては、まず流行神の一事例として取り上げた「貧乏神神社」の資料を整理、分析し、宗教学会で成果発表をした。その後、四つの宗教施設(明治神宮、高岩寺、箱根神社と平間寺)と国立国会図書館を訪れ、現地調査と資料収集を行った。国立国会図書館においては、四つの宗教施設に関連する基本の資料を手に入れた。現地調査の際、宗教者と参拝者の話を伺い、すべての宗教施設に観光ツアーが多く訪れ、特に外国人参拝者(観光者)が大勢いることが分かった。今後は、このような状況を視野に入れ、歴史上の流行過程を整理した上で、新たな動向に注目し考察していく。更に、中国の「筆仙」を流行神の事例として考察した。中国東南大学の教員に有効なアドバイスをもらった上で、東南大学図書館と南京図書館で、「筆仙」に関する必要な研究論文を手に入れ、また、図書館の電子データベースを利用し、関連する新聞記事なども多く収集した。その調査結果は論文にまとめ、『東北宗教学』に投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画した事例はすべて調査に入り、ある程度の資料を収集した。調査中、大勢の外国人参拝者(観光者)が日本の宗教スポットに訪れていることを知り、今後新たな研究課題を展開する可能性があると考える。また、中国の「筆仙」の事例はすでに論文化したことで、研究の進め方はおおむね順調なものである。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、これまでの研究成果を踏まえ、さらに文献資料の精査と個別の事例調査を進めていく。まず、文献資料は新聞だけではなく、地方誌や随筆、さらにインターネットとい媒体も利用し、広範囲で文献資料の精査を行う。事例調査のほうは、東北地方を中心に、主に徴兵除けと弾丸除け祈願、七福神と迎田家おきつね様を調査する予定である。最後に、これまでに得た資料を整理し、宗教のあり方と人々の宗教意識がいかに時代と共に変容してきたのかを描き出す。こうして流行神の実態と変容を示した上で、流行神が一貫した特徴と共通点を抽出することで、宗教における普遍的な性質を明らかにする。
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