2014 Fiscal Year Annual Research Report
文化的多様性のなかのグローバル倫理-難民・強制移動とジェンダー暴力を例とする研究
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26884022
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
池田 丈佑 富山大学, 人間発達科学部, 准教授 (50516771)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | グローバル倫理 / グローバル正義 / 国際関係理論 / 規範倫理学 / 難民・強制移動民 / ジェンダー暴力 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究第一年度にあたる2014年度には、理論枠組みの構築とインドへのフィールドワーク実施という二つの作業を行った。いずれも、研究計画時に予定していたものに近い(部分的にはそれを上回る)進捗を得た。 理論枠組みについては、ポスト植民地主義、ならびに、ポスト西洋的な国際関係理論を元にしたグローバル倫理に対する批判的視座の分類・構築作業を現在も続けており、第二年度(2015年9月)にインドで予定している国際ワークショップにて報告する。 一方、フィールドワークについては、当初予定していた関係者全員からの聞き取り調査を終え、これに加えて、現地弁護士、NGO関係者から更なる情報の提供を得た。また、当初第二年度に予定していたバングラデシュでの調査については、来年度聞き取りをする予定であった関係者が来日したため、スケジュールを一部前倒し、日本で予備調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画で記した研究作業という点でいえば、第一年度の進捗は計画よりも進んでいる。その上で、「おおむね順調」としたのは、初年度の研究成果が今後公になるからである。全体として問題なく、第二年度には成果の公表を加速させたい。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的方向性は計画で示された通りであるが、具体的には、(1)インドでの第2回フィールドワークと国際ワークショップでの成果公表、(2)これをうけた英語論文の投稿、という二点が中心になる。国際ワークショップは、研究代表者がインドで拠点としているジンダル大学、ならびに現地医療NGOであるDoctors For Youによる共同開催で意見の一致をみており、2015年夏に行う。現地活動による情報提供(NGO)、政策分析(ジンダル大学)、倫理的分析(本研究)という三方向から南アジアにおける人道支援とそれに伴う倫理的・政策的諸問題を検討し、これを通して、本研究テーマに関する知的還元を積極的に進める。
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