2015 Fiscal Year Annual Research Report
日本語学習者の自動詞・他動詞の誤用に対するヒューマンエラーからの検討と教材化
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26884040
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
中石 ゆうこ 県立広島大学, 公私立大学の部局等, 助教 (20535885)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 自動詞 / 他動詞 / ヒューマンエラー / 第二言語 / 日本語 / 学習者 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本語の自動詞,他動詞は,「開く―開ける」,「決まる―決める」のように,異形態の動詞対が英語より非常に多く,主要な対応パターンだけでも9種類あります。このことから,日本語学習者にとって自動詞,他動詞を区別して,正確な形態を記憶することは大きな負担となると言われています。 そこで,本研究では,多くの日本語学習者にとって泣き所の一つである「形態の複雑さ」による問題を解決するために,誤用=「ヒューマンエラー」という視点に着想を得て,自動詞,他動詞の文字色を区別して提示することが,学習者が自動詞,他動詞を区別して正確な形態を記憶することに効果を持つかどうかという研究課題を設定しました。 効果を実証するために,日本国内外の日本語学習者を対象にした調査を行いました。調査では,学習者が自動詞,他動詞を記憶する場面を設定し,二種類のフラッシュカード(自動詞、他動詞を色分けしたカード/単色のカード)を用意しました。事後テストの結果について,事前テストからの伸びを見た結果,色分けしたフラッシュカードを用いる学習者と単色のフラッシュカードを用いる学習者との間では,いずれの場合も成績が向上し,両群の成績には有意な差が差がありませんでした。この結果から,動詞の文字色をカラーにして目立たせることが自動詞,他動詞の記憶をより向上させるわけではないことが分りました。今後は,日本語レベルの低い学習者でも同様の傾向が見られるかどうかについても検証するつもりです。 以上の結果を受けて,自動詞,他動詞の教材は,ヒントとして自動詞,他動詞の色を赤,青で提示し,学習者の判断によって,文字色を黒にも変えられるようにしました。これらの教材は,Web上でのコンテンツ,スマートフォンやタブレット用の学習アプリとして公開しました。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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