2015 Fiscal Year Annual Research Report
日英バイリンガル児童・生徒の作文力の発達に関する縦断的研究
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26884042
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Research Institution | Hokkaido Bunkyo University |
Principal Investigator |
佐野 愛子 北海道文教大学, 外国語学部, 准教授 (20738356)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | バイリテラシー / バイリンガル教育 / 継承語教育 / 作文教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は前中島科研のデータの分析をさらに続けながらこの研究に参加した児童・生徒のうち何名かに対して追跡調査を行ったものである。主たる目的は、前回の調査から4年が経過した時点において、当該生徒の日英の作文力はどのような変化を見せ、その変化はどのような要因に起因するものか大まかに把握することであった。前中島科研で収集した作文データについて、特にプレ・ライティングストラテジーについてその2言語における関係性を研究すると同時に、二言語ともに高い能力を示した生徒の保護者に面談し、そうしたバイリテラシーを支える要因を探った。 プレ・ライティングストラテジーに関しては、日英に共通したものを使用する場合が多いこと、バイリンガル特有のストラテジーであるtranslanguagingが様々な目的のもと有効に活用されていることが確認された。また、日英両言語において高い作文力を示した生徒の保護者に計6時間のインタビューを行い、その中で該当生徒の日英作文力の伸びとそれを支えてきた環境要因について調査した。前回から4年が経過した時点のこの調査では、より英語の力が相対的に強まっている傾向が指摘されつつも必ずしも日本語の作文力の減退にはつながっていないことが確認された。さらに、こうした高度なバイリテラシーの発達を支えた背景には性格やコミュニケーション力および分析力といった本人の資質とともに家庭での支援が極めて重要であることも浮き彫りとなった。特に保護者がバイリンガル発達に関心が高く、継承語の保持の重要性を強く認識して子育てをしていることや、日常の会話の中で意識的に熟語やことわざを使用したり、語彙力検定・漢字検定・実用技能英語検定などの各種検定を利用したりしながら日常生活で多く使用される高頻度の語彙とは異なる語彙の習得を行ってきていることがかれらの高度なバイリテラシー獲得を支えたことが明らかになった。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)