2014 Fiscal Year Annual Research Report
GIS・RSを用いた古代地方官衙と交通路網を主体とする景観復元の基礎的研究
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26884048
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Research Institution | Kokugakuin University |
Principal Investigator |
朝倉 一貴 國學院大學, 文学部, 助手 (60735512)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 考古地理学 / 歴史考古学 / 地理情報システム(GIS) / リモートセンシング / 古代交通 / 古代官道 / 地方官衙 / 空中写真 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、道路遺構・道路状痕跡の集成とデータベースの構築をおこなった。発掘調査による道路遺構の事例を網羅的に集成し、地理資料などから道路状痕跡として報告されている事例と合わせて、遺構・痕跡の空間情報をデータベース化することによりGIS上でのマッピングを可能とした。実際に道路遺構が発掘されている遺跡周辺の過去の空中写真を参照することで、埋没していた遺構が発掘調査以前に地表面にどのようにあらわれているのかを調べ、古代道路遺構に関連するとされている、種々の地表痕跡(地割、ソイルマーク、クロップマーク)と、どのように関連しているのかを、全国的な事例の中から探る分析をおこなってきている。今後は本年度に構築したデータベースを用い交通の中継地点として拠点となる官衙遺跡間の最小移動コスト回廊をGISの空間分析で算出することで、拠点間往来に最適な地帯を予測する。日本古代の交通路は規格的直線道であることから、官衙間を最小の移動コストで往来することを目的とした道路であると作業仮説を設定し、なぜそこに道路が敷設されたのかを明らかにする。また、米軍が戦後直後に撮影した空中写真資料群を用い、集成した道路痕跡構造類型をGISによる予測帯で探査し、道路痕跡を検出する。どの地表痕跡が道路に関連するのかを明確にしたうえで探査することで、これまで不明瞭なまま列挙されていた表層痕跡を斉一的に再検証する。これにより、古代の道路はどのように地表に残ってきたのかを明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画で、本年度実施予定であった資料の集成・データベースの構築などは、ほぼ計画通りに進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
構築したデータベースを用いて、①地理情報システムを用いた道路敷設地帯の復元、②空中写真画像解析による道路痕跡の探索を段階的に実施していく。
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