2014 Fiscal Year Annual Research Report
アングラ演劇による日本表象の分析~寺山修司、佐藤信の作品をめぐって
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26884060
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
梅山 いつき 早稲田大学, 坪内博士記念演劇博物館, 助教 (50505401)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2015-03-31
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Keywords | 日本演劇 / 舞台芸術 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は寺山修司と佐藤信を研究対象とし、それぞれの作品において「日本」もしくは「日本人」がどのように描かれているのか分析することを通して、アングラ演劇の歴史的位置づけを再考しようとするものである。アングラ演劇は新劇を近代の象徴として否定し、新劇以前の前近代の文化芸能や土着的価値を顕揚したと演劇史上位置づけられている。だが近年の近代演劇研究において歌舞伎から新劇への転換点を再考する動きが起こっており、アングラ演劇についても単なる反新劇運動と見なすのではなく、アングラ演劇が批判し、一方で再評価したものとはなんだったのか今一度見直す必要がある。そこで本研究ではアングラ演劇を代表する演劇人である寺山と佐藤を取り上げ、彼らの作品において「近代」や「土着」といった概念がどのように想定され、「日本」ないしは「日本人」の表象へと結びついていったのか検証する。 初年度は資料調査を中心に行った。寺山に関する調査として、演劇博物館に寄託されていた関連資料の内、蔵書と写真の整理を行った。蔵書の中には学生時代の愛読書も含まれており、本格的な作家デビューを果たす以前の寺山が親しんだ書籍が明らかになった。写真に関しては点数が多く内容を概観するにとどまったため、今後考証を進め、交友関係を明らかにしていきたい。佐藤研究では佐藤氏本人が所蔵していた幼少期から今日までの活動に関する資料を演劇博物館にご寄贈いただき、整理作業を進め、詳細な活動年表を作成した。また、日本大学芸術学部が所蔵している劇団自由劇場の資料も調査し、主にアンダーグラウンドシアター自由劇場開場直後の資料を考証した。劇団黒テントから佐藤作品の舞台写真をお借りし、デジタル化することができた。今後考証を進めていきたい。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)