2015 Fiscal Year Annual Research Report
Reconsidering the role of Parliament in early modern England: an quantiative study
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26884066
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Research Institution | Hokkai-Gakuen University |
Principal Investigator |
仲丸 英起 北海学園大学, 人文学部, 准教授 (00736887)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 近世イングランド / 下院議員 / コーンウォル / 強制借用金 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、前年度までに構築した17世紀前半の下院議員データベースを踏まえ、強制借用金の支払いを拒否した下院議員たちに着目し、この運動全体の性格を明らかにするとともに、個別の事例研究を通じてこの運動の中で議員が中央と地方との関係において果たしていた役割を検討した。その結果、以下の2点が明らかになった。 1.下院議員選挙における強制借用金への抵抗の意義 強制借用金に対して特に強い抵抗を示した一部の州選挙区では、この政策に対する立候補者の姿勢が強い影響を与えていた。この事実は、有権者の多い州選挙区ではイングランド全域で共有される課題が選挙戦を大きく左右する可能性があったことを意味している。もっとも、都市自治体による寡頭支配ないし貴族や有力ジェントリなどパトロンによる支配が継続されていた都市選挙区においては、エリザベス治世期から議員の選出メカニズムが大きく変化した形跡は見出せなかった。したがって大半の都市選挙区においては、地域社会における特定の人物の地位の証明、ないしはパトロンとの紐帯を強化するための手段として下院の議席が依然認識されていた可能性が高い。 2.強制借用金抵抗者の議会内における活動 強制借用金への抵抗という姿勢が下院への選出に際しての大きな要因となった議員が、この問題と深く関連する活動を積極的に行う場合もみられるものの、彼らは決して多数派ではないという状況であった。すなわち、議会を地域利害が代弁される場として認識していた議員たちは少数に過ぎなかったのであり、権利の請願というその後の国制を大きく規定して行くことになる決議さえ、王国全土の政治国民の意見が実態的に反映されたものではなく、一部の議員たちの個人的な行動によって形成されたと考えるのが妥当である。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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