2015 Fiscal Year Annual Research Report
現代アジアにおける女性キリスト者の貢献可能性と環境倫理―タイを事例として―
Project/Area Number |
26884070
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
藤原 佐和子 同志社大学, 研究開発推進機構, 助教 (20735295)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 思想史 / キリスト教 / エキュメニズム / アジア / エコロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、第一に、タイのプロテスタント最大合同教派タイ・キリスト教団に1988年に発足した「神学的訓練を受けている女性たちのグループ」を事例として、とりわけキリスト者が宗教文化的な少数者に留まっている社会において、アジアの女性キリスト者が持つ教会と社会に対する「貢献可能性」についての新しい視座を提供することである。 本研究の目的は、第二に、アジアの女性キリスト者による環境への取り組みに関する将来の応用研究を念頭に、現在、地域社会や国際社会への「貢献可能性」をはかるための指標の一つとされる「環境倫理」(環境正義)に対するキリスト教の(1)組織的(世界教会協議会とアジア・キリスト教協議会)、(2)エコ神学的、(3)エコフェミニスト神学的取り組みに関する基礎的研究を行うことである。 具体的には、世界教会協議会(WCC)による環境への取り組みの責任者からの勧めにより、ギリシャのオーソドックス・アカデミーで開催された「エコ神学と環境倫理に関する国際会議」に参加し、また、タイ・チェンマイにて研究対象グループのメンバーの活動についての参与観察とインタビューによる調査を実施し、その成果を、日本基督教学会全国大会において発表した。加えて、アトランタで開催されたアメリカ宗教学会(AAR)において、専門的見地からの助言を受けた。 1980年代以降の「アジアの女性たちの神学」と呼ばれる神学運動においては、今日、「アメリカ在住」の女性キリスト者たちが「アジア在住」の女性キリスト者を西洋諸国に向かって代理表象するという点を問題視するものである。この運動で提唱されている学際的アプローチを基礎としつつ、現地語を用いて母国以外のアジアの女性キリスト者に学ぶという新しい神学思想史研究の方法をとることにより、本研究は同課題の克服に寄与し、さらなる応用研究を遂行するための基礎的研究を完成させた。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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