2015 Fiscal Year Annual Research Report
裁判員による発話内容に着目した目撃証言の信用性判断に関する研究
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26885003
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
名畑 康之 北海道大学, 文学研究科, 学術研究員 (90733006)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 目撃証言 / 信用性判断 / 情報処理スタイル / プロトコル分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,裁判員の情報処理スタイル(分析処理者,直観処理者)によって,目撃証言の信用性を判断する過程に違いが見られるのかどうかを検討した。参加者(N = 40)には,模擬裁判シナリオをパソコン画面上で読み進めてもらい,5歳の幼児による証言と20歳の成人による証言がどの程度信用できると思うかを回答させた。その際,参加者には,シンクアラウド(課題遂行中に頭の中に思い浮かぶ事柄,考えている事柄を口に出すこと)するよう求めた。参加者が回答した証言の信用性について,情報処理スタイル(分析処理者,直観処理者)×証人の年齢(5歳,20歳)の2要因混合分散分析を行った。その結果,参加者の情報処理スタイルによらず,5歳の幼児による証言は20歳の成人による証言に比べて,信用性が低く判断されることが示された。また,参加者の情報処理スタイルごとに発話データをクラスター分析した結果,直観処理者では,「5歳」「20歳」という年齢に関する語が「信用」という語と同じクラスターに分類された。この結果から,直観処理者では,証人の年齢が信用性を判断する重要な材料として位置づけられていたのではないかと推測される。Epstein & Pacini (1999) に鑑みると,直観処理者は,自身の経験に基づいて処理を行う傾向があり,自身の経験との比較を行いやすい「年齢」に着目して判断を行ったのかもしれない。一方,分析処理者では,直観処理者のようなクラスターは形成されなかった。分析処理者は,証人の年齢だけでなく,他の証拠も踏まえて多角的な判断を行った可能性があると考えられる。以上より,裁判員の情報処理スタイルによって,証言の信用性判断の結果に差が見られなかったとしても,その判断に至る過程は異なることが示唆された。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)