2015 Fiscal Year Annual Research Report
書くことの言語活動における児童の思考プロセスに関する質的研究
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26885027
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
細川 太輔 東京学芸大学, 教育学部, 講師 (70738228)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 小学校 / 国語科 / 書くこと / 言語活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
国語科の学習指導要領では言語活動例が明示され、「書くこと」の学習でも言語活動を通して指導事項を身につけることが示されている。しかし心理学的・哲学的な研究では、生活作文の中での思考しか観察されていない。教育学的な研究では言語活動を通した指導をしているが、児童の書いた作品しか見ておらず、表現に至る思考プロセスを見ていない。 そこで本研究では大きく分けて2つのことを研究した。○書くことの言語活動の中で、児童はどのような思考プロセスで書いているのか。 ○どのような言語活動が、児童の相手意識や目的意識を活発にさせるのか。この研究は学習指導要領で言われる言語活動の充実の有力な証左になり、新たな言語活動の開発につながる研究になる。 本研究では、新1年生の保護者に学校紹介リーフレットを書くという言語活動を通して書く活動の中で、児童が何を意識して書くのかを分析した。その結果以下の3つが見えてきた。1つは相手意識である。新1年生の保護者が知りたい情報を選んだり、相手に失礼でないように書こうとする様子を見ることができた。2つ目は書くメディアに対する意識である。リーフレットの折り方をどうするのか、普段見ているリーフレットを思い出し、それに近くなるように書いている様子を見ることができた。そして3つ目は一緒に書いている友達への意識である。児童は友達がどう書いているのか意識をし、そこでよいものがあれば取り入れようとする意識が働いていることがわかった。 これらの意識は児童が実生活で文章を書く上で必要になってくる意識であると考えられる。そのため相手や目的がはっきりとするような実生活に近い言語活動を行ったり、一人での学習ではなく、協働的な活動にしていくことが重要であると考えられる。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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