2014 Fiscal Year Annual Research Report
ジョブローテーションにおける望ましいスケジューリング方法についての理論分析
Project/Area Number |
26885028
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
坂東 桂介 東京工業大学, 社会理工学研究科, 助教 (50735412)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | ゲーム理論 / マッチング理論 / ジョブローテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、労働者及び職場の希望を反映したジョブローテーションのスケジューリング方法を、マッチング理論の枠組みで分析し明らかにすることである。 今年度の研究では、先行研究のサーベイを中心に行った。国際会議"20th Coalition Theory Networks"に参加し、関連する最新の研究についての情報を収集し、参加していた研究者と議論を行った。特にマッチングを繰り返し決めるような状況を分析する「繰り返しマッチング問題」の研究についてのサーベイを中心に行い、本研究との違いを明確にした。また、今年度は「制約付きの繰り返しマッチング問題」という新たなモデルを導入し、その分析を行った。制約付きの繰り返しマッチング問題とは、各期ごとに各労働者の職場が異なるという制約を導入した繰り返しマッチング問題である。今年度の研究では、制約付きの繰り返しマッチング問題に対して既存研究で提案されているマッチングメカニズムを適用すると、職場と労働者の厚生の面で望ましくない性質をもつマッチングが達成されうることを示した。 また、マッチングを一回だけ決める問題において、望ましい性質を満たすマッチングメカニズムの特徴付けを行い論文としてまとめた。この論文では、マッチングメカニズムに参加するプレイヤーがグループを組み虚偽の選好を表明しても得できなようなマッチングメカニズムの数学的特性を明らかにした。この研究は、"UECE Lisbon Meetings 2014: Game Theory and Applications"及び"2014年度首都大学東京経済学セミナー"で発表を行った。この研究によって提案された手法は、制約付きの繰り返しマッチング問題にも適用可能と考えられる。この点については来年度における課題とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
先行研究のサーベイを十分に行った。また、新しいモデルを提案し具体的な結果を導出したことで、今後の課題がより明確になった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の考えている問題に既存研究のマッチング方法を適用すると必ずしも望ましい性質をもつマッチングが達成されるわけではない事がわかったので、この点を克服するようなマッチング方法の提案を行う。結果を論文としてまとめ、国内外の学会やワークショップに参加し発表を行い、最終的には査読付き国際誌に投稿する。
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