2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26885031
|
Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
岡田 吉美 一橋大学, 大学院商学研究科, 教授 (20732647)
|
Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
|
Keywords | 特許請求の範囲 / クレーム長さ / 特許権の価値 / 出願人前方引用 / 出願人後方引用 / complex技術 / discrete技術 / 非特許文献 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)特許請求の範囲の長さと出願人前方引用で計測した特許権の価値の関係 1990年代から2000年台初頭の特許について、化学式や表などのイメージデータのない特許を抽出し、物の発明と方法の発明とに自動仕分けした。特許の約8割は物の発明であった。物の発明について、特許請求の範囲のうち通常最も広い概念を表す請求項1の文字数(以下「クレーム長さ」という。)と出願人前方引用(後に出願される特許出願で引用された回数)で計測した特許権の価値との関係を明らかにした。すなわち、クレーム長さが短いほど出願人前方引用数が増加する相関関係を見出すことができた。また、当該関係は、電子・電気機器などに代表される「complex技術」の分野と医薬に代表される「discrete技術」の分野で大きく異なり、前者の分野では、被引用数がトップ1%であるような極めて重要な特許の価値の変動についてクレーム長さが請求項数と同程度の大きな説明力を有する一方、平均的な価値に対する説明力は小さいのに対して、後者の分野では、被引用数の順位に関係なく、平均的に請求項数と同程度の大きな説明力を有した。さらに、前者の技術分野においては、非特許文献の引用もトップクラスの発明の価値に対して大きな説明力を有した。 (2)特許情報を踏まえた研究開発活動を行う企業の取得特許の質的優位性の検証 物の発明について、出願人後方引用数(特許出願人が特許出願の明細書で先行技術文献を引用した数)と取得特許の特許請求の範囲の関係を分析した。その結果、特許出願の明細書で先行技術文献を多く引用している特許ほど、特許取得時のクレーム長さが特許出願時より長くなる確率が低く、また、その変化の程度も小さくなり、出願時の特許請求の範囲の記載に近い形で権利を取得できていることを明らかにした。
|
Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|