2014 Fiscal Year Annual Research Report
孤立の形成メカニズムに関する実証研究:サポート受領を規定する社会的文脈の検討
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26885045
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三谷 はるよ 大阪大学, 人間科学研究科, 助教 (60733326)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | ソーシャル・サポート / 孤立 / 全国調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ソーシャル・サポートの受領を規定する社会的文脈を検討することによって、現代日本における孤立の形成メカニズムを実証的に明らかにすることを目的とする。若年層・高齢層問わず社会的孤立の傾向が顕在化している今日、サポートを受けることを可能にする社会的文脈の詳細は未だ明らかでなく、「なぜサポートを受けられないか」を社会構造的な観点から究明することが喫緊の課題となっている。そこで本研究では、個人の置かれた時間的・空間的状況の多様性を鑑み、社会的文脈を(1)家族歴・職歴(個人レベル)と(2)社会サービスへのアクセスビリティ(自治体レベル)の水準に分け、各要因がサポート受領に与える影響について、全国調査データを用いて実証的に検証することを課題とした。 上記の目的を果たすために、1年目である平成26年度は、①測定指標の精査と調査票の作成、②調査実施とデータ整形を課題とした。平成26年8月末の課題採択以降、約半年間という短い期間ではあったが、当初の研究計画の通り、平成27年1月に「人間関係とサポートに関する調査」(全国に居住する20~69歳の男女500名を対象とするWEB調査)を実施することができた。これにより、既存調査では検討されていない、家族歴・職歴間、及び社会サービスへのアクセスビリティがサポート受領に与える影響、およびそれらの相互関連を検証できるデータを収集することができた。今後は、本調査で得られたデータの分析を進め、仮説検証と理論的考察を深めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していたWEB調査を実施することができ、また調査票作成の過程で理論的検討も進んだことから、本研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる平成27年度は、「人間関係とサポートに関する調査」で得られたデータの分析を進め、その成果を段階的に関連学会の学術大会等において報告していく。また、それらを論文としてまとめ、学術誌に投稿する。
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