2014 Fiscal Year Annual Research Report
教育の量的拡大期における質低下構造の生成に関する研究
Project/Area Number |
26885046
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川口 純 大阪大学, 人間科学研究科, 助教 (90733329)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2015-03-31
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Keywords | 教員養成課程 / 教育の質 / 教員の離職率 / アフリカ / 入学要件 / モチベーション / ポストEFA / 有資格教員 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、途上国の中でも最貧国のマラウイを対象に、初等教育の質低下の構造を明らかにすることを目的に研究を実施した。教育の量的拡大が起こった後に質の低下が見られるのは、教育拡大の過渡期に起こる必然的な帰結として捉えることも出来る。だが、今後、教育の質を改善させるためには、質の低下が起こらないシステムを見出していくことが必要である。そのためには、まず教育の質が低下する全体構造を明らかにしていく必要があった。本研究では、初等教員養成を研究フレームワークの中心に据えながら、教育の質低下の全体的なメカニズムを明らかにすることを試みた。 研究過程では、教員養成を1つの軸として教育の質が低下していく構造を明らかにした。政策レベルにおいては、教員養成課程の改定により、有資格教員が増加し、質の高い教育が実施されるという予測が成されていた。だが実際の調査の結果、教育の質は連続的に低下していた。 現地調査の分析により、学校レベルや地域においては、政策の意図に反し、様々な事象が発生し、目的通りに物事が進捗していくわけではないことが明らかになった。例えば、「教員養成課程への入学要件の変更」という政策を例に取ると、マクロレベルでの政策意図は大量の教員を確保し、教員1人当たりの負担を軽減し、教育の質を向上させることであった。しかし、実際には、既存教員が低い機会費用を払い教員になった新規教員に対して、嫉妬心を抱くことに繋がり、既存教員の離職率上昇に帰結していることが確認された。この様な事象がマラウイでは広範に渡り起こっていると考えられる。教員養成課程が改定され、教育の質が高まり、保護者は学校へ子どもを通わせるモチベーションが高まるはずが、インフォーマルな教員登用制度が衰退したこともあり、反対に地域と学校に距離が出来る事例も確認されている。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)