2015 Fiscal Year Annual Research Report
インターネット掲示板における投資家心理と投資家ネットワークからみるIPO
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26885065
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
月岡 靖智 関西学院大学, 商学部, 助教 (50736709)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 投資家心理 / IPO / テキストマイニング / 初期収益率 / 投資家注目度 / カスケード / ネットワーク / SVM |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、投資家心理と投資家心理のカスケードがIPOにおける初期収益率と上場後の低い株式収益率というIPOパズルの一因であることを明らかにすることである。投資家心理は、Yahoo! Japan Finance 株式掲示板 (「Yahoo! 掲示板」) の書き込みから抽出した。「Yahoo! 掲示板」から取得したデータには、投稿番号、書き込み日時、投稿者ID、返信元の投稿番号、タイトルおよびコメントが含まれている。タイトルとコメントの文字情報にテキストマイニングとサポートベクターマシーンを適用することで、すべての書き込みを強気、弱気または中立に自動的に分類した。強気の書き込み数と弱気の書き込み数の比率で測定した強気度合とIPOパズルの関係を検証した結果、投資家心理が強気であるほど初期収益率が高いことを発見した。加えて、投稿数から測定した注目度が高いほど、初期収益率が高く上場後の株式投資収益率が低いことを発見した。 投資家心理のカスケードと初期収益率の関係は、投稿者間のネットワークを構築することで検証した。ネットワークは頂点と、頂点と頂点の間をつなぐ辺で構成される。ここでは、投稿者を頂点、投稿者間の繋がりを辺として用いた。投稿者間の繋がりは書き込みの順番と返信元の投稿番号による書き込み間の返信をもとに特定した。中心性指標が上位5%の投稿者を中心投資家とし、彼らの投資家心理が他の投資家の心理に波及するか、初期収益率と有意な関係にあるかを検証した。検証の結果、中心投資家の投資家心理とスレッド全体の投資家心理とはプラスの関係にあり、かつ初期収益率との間にもプラスの関係があった。これらの結果は、中心投資家の投資家心理が他の投資家の投資家心理に波及し、この投資家心理のカスケードによってIPOにおける高い初期収益率が引き起こされていることを示唆している。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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