2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26885084
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
籠谷 恵 東海大学, 健康科学部, 講師 (40734801)
|
Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
|
Keywords | 新任養護教諭 / 専門職的自律性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、新任養護教諭の専門職的自律性の獲得とその要因を明らかにすることである。養護教諭は学校で一人配置であることが多く、社会人1年目の新任養護教諭でも着任早々から学校保健活動推進の中心的役割を担うことが期待される。また、現場では予測困難な問題が多くあり、新任養護教諭は知識や技術が未熟でも様々な局面で自ら意思決定をすることが要求される。そのためには、専門職的自律性を獲得することが必要である。新任養護教諭が専門職的自律性を獲得することにより、職業人としての価値観、判断に基づいて選択決定し、その行為に対して責任を持って行動することができるようになると考える。 養護教諭の専門職的自律性に関する研究は、これまでほとんど行われていないため、まず養護教諭の専門職的自律性の構成概念を明らかにすることが必要である。そのため、平成26年度は養護教諭の専門職的自律性の概念枠組みに関する論文を公表した。また、その構成概念をもとに養護教諭の専門職的自律性尺度を作成し、論文を作成した。また、平成26年度は、新任養護教諭の専門職的自律性の獲得における認識と行動、影響要因を明らかにするため、新任養護教諭にインタビュー調査を行った。そして、インタビューデータを修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチにより分析し、研究論文として公表した。さらに、先行研究で明らかになった新任養護教諭の専門職的自律性の獲得要因を取り込み、養護教諭の専門職的自律性の獲得に関する質問紙調査を実施した。対象は、新任養護教諭のデータと比較するため、経験年数を限定せずにの現職養護教諭1,500名とした。755名から回答があり、今後は研究集会等で公表する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、新任養護教諭の専門職的自律性の獲得とその要因を明らかにすることである。 本研究は、4つの研究から構成される(・研究1 養護教諭の専門職的自律性の概念枠組みの予備的検討 ・研究2 専門職的自律性尺度の開発と信頼性・妥当性の検討 ・研究3 新任養護教諭の専門職的自律性の獲得プロセス ・研究4 新任養護教諭の専門職的自律性の獲得と影響要因)。 平成26年度は研究1(養護教諭の専門職的自律性の概念枠組みの予備的検討)・研究3(新任養護教諭の専門職的自律性の獲得プロセス)の公表、研究2(専門職的自律性尺度の開発と信頼性・妥当性の検討)の論文投稿、研究4(新任養護教諭の専門職的自律性の獲得と影響要因)の実施を予定していた。 予定通り、平成26年度に研究1・3に関する論文が公表された。また、研究2に関する論文を投稿した。さらに、研究4の質問紙調査を実施した。 以上より、当初の計画通り進行している。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度は、新任養護教諭の専門職的自律性の獲得における影響要因に関する質問紙調査結果の公表を目指して取り組む予定である。 具体的には、昨年度実施した質問紙調査のデータを統計的に分析し、これまで実施してきた先行研究と関連付けて、新任養護教諭の専門職的自律性の獲得における実態や影響要因を明らかにする。また、本研究成果が養護教諭の養成や現職研修においてどのような貢献ができるのか、検討していく。これらの成果は、国内外の研究集会や論文で報告する。
|