2015 Fiscal Year Annual Research Report
立法裁量の「判断過程統制」が内包する憲法理論上の諸問題
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26885094
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
山本 真敬 早稲田大学, 法学学術院, 助手 (70734747)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 判断過程統制 / 主張可能性の統制 |
Outline of Annual Research Achievements |
立法裁量の「判断過程統制」の理論的問題点を検討する本研究は,平成27年度は,引き続き「違憲」概念についての検討を行い,そしてさらに,「権利」概念・「裁量」概念・「実体・手続」概念について,行政裁量の「判断過程統制」論との比較を行いつつ検討を加えることを目的としていた。 まず,「違憲」概念については,やはり昨年度同様にそれを直接に取り扱う文献を見いだせなかったことから,検討は困難を極めている。そこで,ドイツの憲法判例を検討しつつ,日本の憲法判例や行政裁量の「判断過程統制」に関する判例をも再検討することにより,光明を見出すことができないかと考え,そのうち,日本の憲法判例については,何点かの成果を公表することができた。 次に,「判断過程統制」が惹起する「実体・手続」の概念の再検討の必要性については,ドイツの「主張可能性の統制」を定式化した共同決定法判決(BVerfGE 50, 290)を再検討したところ,日本の憲法学説の理解とは異なり,それが「比例原則」とともに用いられている点で,単純に「手続」的側面にのみ注目した違憲審査の手法とは言えないことを確認し,この点について成果を公表した。ただし,この点に関するドイツの憲法判例の検討は道半ばであり,「実体」・「手続」の観念をどう理解するかという点を含め,引き続き検討を継続する必要がある。 また,「権利」概念や「裁量」概念については,それら概念が歴史的に展開してきた過程を踏まえた考察を行うことまでは充分にはできなかったものの,立法者の努力が「違憲」か否かを左右する要素と考えることが「権利」の持つ意義に変容を与え得るのではないかという観点から,「権利」侵害に対する「実体」的・「手続」的審査の持つ意義をどのように理論的に把握するべきなのか等の問題点を一定程度明らかにすることができたように思われる。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)