2015 Fiscal Year Annual Research Report
世代の断絶から捉える実践知の生成継承性に関する発達臨床的研究
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26885102
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Research Institution | Tama University |
Principal Investigator |
竹内 一真 多摩大学, 公私立大学の部局等, 講師 (10737571)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | ナラティヴ・アプローチ / 生成的ライフサイクルモデル / 技術伝承 / 世代の越境 / 文化のライフサイクル |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の成果としては大きく2点あげられる。一つが論文投稿、二つ目が学会での発表である。論文としては多摩大学グローバルスタディーズ学部紀要に「現代社会における実践知の越境に関する先行研究とその意義:世代を超えて経験が伝わっていく仕組みと学校教育の限界」を投稿した。この論文では研究協力をお願いしている杉原紙の復活という現象を取り上げる必然性を現代社会の状況と結びつけて論じた。 また、学会発表では教育心理学会では「失われた技芸の復活から捉える学習と継承の相違:社会文化的アプローチにおける世代という視座の必要性」を、同じく質的心理学会にて「実践知の復活における断絶された世代をつなぐナラティヴの役割:杉原紙復活における生成継承性の役割」を発表した。 教育心理学会での発表では杉原紙の復活に関してどのような人物が関わり、復活を成し遂げたのかということを明らかにした。その中で、杉原紙の歴史性が複数の当事者の復活に関与する動機になっており、さらにその歴史性を裏付ける正統性があったからこそ、当事者が杉原紙の歴史を疑うことなく参与することになったということを明らかにした。 質的心理学会の発表では復活を志した第一世代と第二世代がどのように杉原紙の復活を実施しているのかということを示した。その結果、過去の物語に基づいて共同体が再構築されていくということと、復活において生成継承性の連鎖を担保していくことの重要性を明らかにした。質的心理学会の発表ではその意義が認められ最優秀発表賞を受賞した。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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