2014 Fiscal Year Annual Research Report
G・F・プフタの法理論における判例の位置づけについて
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26885115
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Research Institution | Hiroshima Shudo University |
Principal Investigator |
鈴木 康文 広島修道大学, 法学部, 助教 (30734024)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 歴史法学派 / 法源論 / 判例 / プフタ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、研究会および学会における報告と、論文の刊行を通じて、次の成果を公にした。 まず、採択前に、法学部研究会(広島修道大学)において、プフタの法源論の特徴、特に判例の位置づけについて研究報告を行った(2014年5月15日)。これによって、2カ年(平成26年度と平成27年度)にわたる研究のおおまかな見取り図を提示した。 次に、平成26年度の研究計画の中心となる、ティボーとサヴィニーの対立する法源論について、法典編纂の是非を問う彼らの論争を取り上げて、分析した。この内容については、愛知法理学研究会(中京大学)、法理学研究会(同志社大学)、日本法哲学会(京都大学)において報告の機会を得た。そこで有益なコメントを多数いただき、最終的には「19世紀ドイツにおける立法をめぐる思想」『修道法学』39巻2号(2015年)という形に結実した。 この刊行論文においては、上記の法典論争をめぐって展開されたティボーとサヴィニーの理論を、ティボー『ドイツにおける一般民法典の必要性について』やサヴィニー『立法及び法学に対する現代の使命』(ともに1814 年)を参照し、確認した。また、同時代あるいはその後の時代の論者の見解(例えば、彼らの同時代人のヘーゲルやガンス、ドイツの法典編纂史では過渡期にあたる19世紀半ばのボルネマン、法典編纂前夜にあたる19世紀後半のゾームのそれぞれの論文や著書)をも取り上げ、比較の対象を増やし、また長いタイムスパンをとることによって、ティボー、サヴィニーの思想史における位置づけについて明確にしえたと思う。これは、プフタの法源論を理解する上で前提かつ必要不可欠な作業である。これらをもとに、平成27年度には引き続いてプフタ法源論の本格的な分析に入っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、19 世紀前半ドイツの法学者G・F・プフタ(1798-1846)の法源論がもつ意味を、判例に着目しながら、明らかにすることである。 平成26年度の研究は、プフタの師であるサヴィニーとその論敵ティボーの法源論の特徴を明らかにすることであった。これは、平成27年度に予定される本格的なプフタ研究のための前提作業であった。 すでに研究概要で述べた通り、いくつかの研究会での報告(広島、京都、愛知)および学会報告(京都)において、本研究に対する多くの有益なコメントを得ることができた。その成果として「19世紀ドイツにおける立法をめぐる思想」『修道法学』37巻2号(2015年)を刊行することができた。 このように平成26年度においては平成27年度の作業のための足場を築くことができたので研究計画はおおむね順調に進行しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度においては、プフタの法源論に本格的な分析を加える。主な分析対象となるテキストは、彼の全2巻におよぶ著書『慣習法論』(1827年、1837年)である。プフタはここで、基本的には慣習法の歴史と理論を中心に叙述を進めるが、同時に判例にも言及しており、その箇所を詳しく分析していく。上記の著書の他にも、彼の法学教科書や書評なども参照する。 これとあわせて、プフタの法源論の独自性をより明確なものとするために、他の論者の理論をも取り上げ、プフタのそれと比較する。特に注目するのは、ティボーとベーゼラーである。具体的には、ティボー『パンデクテン法体系』(初版は1803年)やベーゼラー『民衆法と法曹法』(1843年)『ドイツ一般私法体系』(全3 巻、1847-1855 年)等である。 今後の研究の推進方策は、判例に関するプフタの法源論をティボーとベーゼラーの理論と比較対照すること、この比較によってプフタ法源論の特徴を析出すること、また平成26年度の研究成果を踏まえプフタとサヴィニーとの思想的関連を明らかにすることである。 平成27年度の日本法哲学会での報告および専門誌への論文投稿も予定しており、これらの場を活用して、他の研究者からのアドバイスを得て、より充実した研究内容にしていく。
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Research Products
(4 results)