2014 Fiscal Year Annual Research Report
課題遂行中の苛立ちと情報処理の相互影響過程に関する心理生理学研究
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26885126
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Research Institution | Advanced Telecommunications Research Institute International |
Principal Investigator |
守谷 大樹 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 脳情報通信総合研究所, 研究員 (30737515)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2015-03-31
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Keywords | 情動 / 脳波 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,課題遂行に伴う苛立ちの生起・維持の過程と,苛立ちが課題の遂行に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。本年度において,二つの研究を通じて苛立ちや,苛立ちと関連があると考えられる不快情動が脳波に及ぼす影響について検討した。 一つ目の研究では,コンピュータプログラムで作成した飛行機のシューティングゲームを使用して,コンピュータの不具合によって生じる苛立ちと,それに関連する脳波活動について検討した。課題は,3分間飛行機をキーボードによって操作して,できるだけ多くの敵を撃墜するというものだった。苛立ち条件では,数秒に1度の割合でキーの入力が無視された。統制条件では,すべてのキー入力が正常に処理された。苛立ち喚起条件と,苛立ち喚起が生じない統制条件を,それぞれ4セッション行った。苛立ち条件における被験者の不快感情と敵意は,セッションの経過に伴って増大した。キー入力が無視される直前と直後の脳波を比較した結果,シータ波とアルファ波の中間帯域の活動(5-9 Hz)が苛立ち喚起によって減少することが示された。 2つ目の研究では,不快情動喚起写真を見ている間の脳波を検討した。コンピュータディスプレイに2秒間,不快・快・中性写真を提示した。画像に惹起された一過性の脳波活動を検討した。快画像を見ている間,後頭部で写真提示後200-300 msに生じる陰性電位が,不快写真を見ている間,頭頂部で写真提示後0.4秒以降に生じる陽性電位が,それぞれ他の画像を見ているときよりも増大した。 上記二つの研究から,より日常に近いゲーム中の苛立ちに関連する脳波活動と,実験室場面における情動に関連する脳波活動が明らかになった。今後,これらの知見に基づいて,実環境場面におけるBrain-Machine Interfaceを開発することが可能になると予想される。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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