2014 Fiscal Year Annual Research Report
サイクロトロン共鳴を利用したグラフェン量子ドットによる単一光子検出
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26886002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
荒井 美穂 東京大学, 生産技術研究所, 研究員 (20738588)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2015-03-31
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Keywords | グラフェン / AFMリソグラフィー / 赤外光検出 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度行った研究は、(1)グラフェンの微細構造を作製するため、AFM(Atomic Force Microscope)を使用した陽極酸化リソグラフィーの安定化および酸化領域の化学的性質の解明、(2)トップゲート付きh-BN(六方晶窒化ホウ素)/graphene/h-BN接合に赤外光を照射しサイクロトロン共鳴を観測、光起電力が生じるメカニズムの解明である。 (1) グラフェン量子ドットによる赤外光検出の室温動作のためデバイスの微細化が必要である。我々は従来の電子線リソグラフィーより解像度の良いAFM陽極酸化リソグラフィーの研究を行っていたが、グラフェンを酸化した領域の化学的性質が不明、リソグラフィーの安定性に問題があった。そこで、酸化領域の化学的性質を調べるためにオージェ分光法使い、AFMのカンチレバーに印加する電圧を上げると酸化領域に付与する酸素原子の量が増加することが分かった。またリソグラフィーの安定化を測るため、湿度を70%に保つ、リソグラフィー前にグラフェンの表面をAFMのカンチレバーによりメカニカルにクリーニングするといった工夫を行った。その結果、再現性良くグラフェンナノ構造をAFM陽極酸化リソグラフィーによって作製することができた。 (2) 原子層転写技術によりh-BN/graphene/h-BN接合を作製した。h-BNを基板とするに加えてグラフェンの表面をh-BNで覆うことによって高移動度グラフェンが実現できる。また、トップゲートを付与しているため同一グラフェン内でnpn接合またはpnp接合と言ったエッジチャネルの反射を抵抗値によって観測できる系となっている。nn’nとpp’p接合ではサイクロトロン共鳴による光起電力効果が観測された。一方npn、pnp接合ではサイクロトロン共鳴では説明できない、光照射による抵抗値の増大が観測された。この結果より、サイクロトロン共鳴による光起電力の発生はエッジチャネルの向きが関連している可能性があることが示唆された。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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