2014 Fiscal Year Annual Research Report
共ドープシリコンナノ結晶を用いた単電子デバイスの研究
Project/Area Number |
26886008
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
加納 伸也 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20734198)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 電子デバイス / ナノ結晶 / 自己組織化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、リン・ボロン同時ドープシリコンナノ結晶を用いた単電子デバイスの実現をめざしている。当該年度は、①ナノギャップ電極の作製、②シリコンナノ結晶表面の有機分子修飾を実施した。 ①単電子デバイス作製には、直径数nmのシリコンナノ結晶を架橋させるナノギャップ電極が必要である。当該年度ではまず、電極の間隔が50nmのナノギャップ電極を、電子線リソグラフィー法により作製した。大阪大学の微細加工プラットフォームにある電子線リソグラフィー装置を利用して、実験を実施した。今後、電極間隔を5nm程度に縮小する金メッキ法を行う予定である。 ②単電子デバイスを効率よく作製するには、シリコンナノ結晶を選択的に金属電極上に吸着させることが重要である。選択吸着という観点では、有機分子による自己組織化プロセスが広く研究されている。有機分子を介した選択吸着をねらい、リン・ボロン同時ドープシリコンナノ結晶の表面に有機分子修飾を施した。表面が水素終端されたシリコンナノ結晶に対して、Allylamine分子と塩化白金酸を加えることで、Allylamine分子を付加反応させ、分子を結合させる。作製したナノ結晶は、赤外吸収スペクトルにより評価を行った。赤外吸収スペクトルに、Si-C結合に由来する吸収が確認できたことから、Allylamine分子がシリコンナノ結晶に付加していることが予想される。今後は、このシリコンナノ結晶を、allylamine分子を介して金電極側に固定化する方法を探索する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
電極作製については、当初の計画よりやや遅れているが、シリコンナノ結晶表面の有機分子修飾については、順調に進んでいる。次年度は、共同研究を並行して進めることで、単電子デバイスの試作を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
ギャップ長が5nm程度のナノギャップ電極を形成し、その表面に静電相互作用や化学結合をもたらす自己組織化単分子膜を展開し、シリコンナノ結晶を選択吸着させる。 シリコンナノ結晶の粒径は、量子化準位間隔が室温より数倍程度大きくなることが期待できる5nmに制御し、作製を行う。 作製した素子の電気特性を20Kから300Kの間で評価し、室温動作の可否について検討する。 ナノギャップ電極作製に関しては、共同研究を行うことを計画している。
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Research Products
(7 results)