2014 Fiscal Year Annual Research Report
半無限旗多様体の幾何学と量子アフィン展開環のレベル・ゼロ表現論
Project/Area Number |
26887002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石井 基裕 東北大学, 情報科学研究科, 博士研究員 (00732463)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | アフィンLie環 / アフィンWeyl群 / 半無限旗多様体 / 結晶基底 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究では、Gaussent-Littelmann による Lakshmibai-Seshadri ギャラリー模型の理論を(捩れのない)アフィン Lie 環のレベル・ゼロ端ウェイト加群(又は大域的 Weyl 加群)、及びレベル・ゼロ基本加群のテンソル積(又は局所的 Weyl 加群)の結晶基底に対する場合にまで拡張することに成功した。ここで、Lakshmibai-Seshadri ギャラリー模型とは、有限次元複素半単純 Lie 環の既約最高ウェイト加群の結晶基底に対する組合せ論的な実現を与える模型であり、アフィン Weyl 群の中の有限な放物型部分群の組合せ論的な構造を用いて定義されるものである。これに対して本研究では上記のような有限な放物型部分群、従って特にこれらはある有限 Weyl 群と同型になっているのであるが、これらをそのまま用いる代わりに、これらに付随するアフィン Weyl 群を利用することによって Gaussent-Littelmann の理論をアフィン Lie 環のレベル・ゼロ表現論の場合にまで拡張することができた。Gaussent-Littelmann の理論を応用することによって、Lakshmibai-Seshadri ギャラリー模型を経由して複素半単純 Lie 環の表現論とアフィン Grassmann 多様体の幾何学との間の関係 (幾何学的佐武対応から来る Mirkovic-Vilonen サイクル・多面体の理論) が記述されることが知られている。同様の考察を本研究の設定で行うとアフィン Lie 環のレベル・ゼロ表現論と Feigin-Frenkel によって導入された半無限旗多様体の幾何学との間の関係が観察されることが分かる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、Gaussent-Littelmann による Lakshmibai-Seshadri ギャラリーの理論をアフィンLie環のレベル・ゼロ表現論の場合にまで拡張することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
Gaussent-Littelmann は Lakshmibai-Seshadri ギャラリーからアフィン Grassmann 多様体の中の Mirkovic-Vilonen サイクルと呼ばれる幾何学的佐武対応において重要な役割を果たす代数的サイクルを対応させる手続きを与えた。そこで、今後の課題としては昨年度得られた Lakshmibai-Seshadri ギャラリーの拡張を利用することによって、半無限旗多様体の設定で Mirkovic-Vilonen サイクルの理論を展開したい。
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Research Products
(5 results)