2015 Fiscal Year Annual Research Report
天候レジームの予測可能性と予測精度の予測に関する研究
Project/Area Number |
26887007
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松枝 未遠 筑波大学, 計算科学研究センター, 助教 (80738691)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 天候レジーム / 予測可能性 / アンサンブル予報 / 異常気象 / 数値予報 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度に本研究課題で得られた世界各地(欧州、北米、東アジア、北極、南米、オセアニア)の天候レジームに対して、レジーム間遷移を調べたところ、領域により異なる特徴が見られた。日本を含む東アジア域、オセアニア、南米では、異なる天候レジーム間の遷移頻度にかなりの偏りが見られた。中でも東アジア域天候レジームの遷移頻度の偏りはかなりユニークであり、ある天候レジームから始まり、複数の天候レジームを経由してまた再びその天候レジームに戻ってくるサーキット(ここでは、冬型の気圧配置→高気圧→南風→日本の南および日本海に低気圧→冬型の気圧配置)を定量的に特定することが出来た。このサーキットは平均して10日程度の周期をもっており、熱帯の卓越変動であるマッデン・ジュリアン振動(MJO)が、低気圧を介してサーキットに影響を及ぼしうることが示唆された。他の領域でもサーキットの存在は確認できたが、東アジア域ほど高頻度でサーキットが起こるわけではなく、MJOとサーキットの関係もそれほど明瞭には見られなかった(ただし、MJOが各領域の特定の天候レジームの出現頻度に影響を与えうることは分かった)。さらに、MJOの位相(活動活発域)ごとに、天候レジームの予測可能性を調べたところ、MJOが特定の領域で活発な時に天候レジームの予測精度が向上(低下)することがあることが分かった(予報精度を向上(低下)させるMJOの活動活発域は領域により異なる)。このことは、天候レジームの予報精度の善し悪しをMJOの活動活発域により事前に知ることができることを意味する。 その他、海洋の卓越変動であるエルニーニョ/ラニーニャ現象が世界各地の特定の天候レジームの出現頻度に影響を与えうることも分かった。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] The TIGGE Project and its Achievements.2016
Author(s)
Swinbank, R., M. Kyouda, P Buchanan, L. Froude, T. M. Hamill, T. Hewson, J. H. Keller, M. Matsueda, J. Methven, F. Pappernberger, M. Scheuerer, H. Titley, M. Yamaguchi, and L. Wilson
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Journal Title
Bull. Amer. Meteor. Soc.
Volume: 97
Pages: 49-67
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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