2014 Fiscal Year Annual Research Report
格子ボルツマン法とGPGPUを用いた大規模計算による多孔質岩石内の複雑流動の解明
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26887028
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
JIANG Fei 九州大学, カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所, 学術研究員 (60734358)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 多孔質媒体シミュレーション / デジタルロック / 二酸化炭素貯留 |
Outline of Annual Research Achievements |
ベレア砂岩のデジタルロックの高解像度3次元形状モデルのCT画像に基づいて再構築を行った。再構築する際、画像の二値化プロセスは非常に重要で、そのためwatershed法、大津法を試みた。最終的に、空隙率を合わせるために単一閾値法で岩石と空隙を選別し、デジタルロックモデルを構築した。数値モデルの方では、現存のGPUベースの格子ボルツマン法二相流並列計算コードを多孔質媒体シミュレーターに最適化し、更に計算スキームを効率化し、特にデータ転送の部分を改良した。超大規模領域のデジタルロックにおける二相流(水ーCO2)計算を行った。開発した多孔質媒体シミュレーターをCCSの貯留メカニズム及び安全評価に応用するための第一歩では、超臨界CO2挙動が界面張力の依存性を調べ、飽和度及び相対浸透率の変化など評価し、CO2を圧入の有効性を検討した。結果として、界面張力がCO2残留トラップする量に大きく影響することがわかった。高い界面張力の条件では、CO2が空隙に止まりやすく、比較的に大きなサイズのCO2クラスタがトラップできる。一方、低い界面張力では、トラップしたCO2のサイズは小さいため、表面積の増加の伴い、CO2の溶解スビードが増強すると予想される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
我々が開発したプログラムコードでは、多孔質媒体の流体計算は実現できた。研究者代表が所属しているI2CNER研究所のHPCクラスタシステム及び東京工業大学の大型計算機「TSUBAME」などを使用し、高効率化、高性能計算コードの開発を行い、超大規模計算領域1000x1000x1000のグリットのデジタルロックに対して、二相(水ーCO2)流の計算が成功した。超臨界CO2のdrainageおよびimbibitionシミュレーションを行うことによって、界面張力がCO2残留トラップに対する影響を解明することができた。 以上のことから本研究はおおむね順調に進展していると判断している.
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Strategy for Future Research Activity |
開発した多孔質媒体シミュレーターをCCSの貯留メカニズム及び安全評価に応用するため、以下のシミュレーション研究を進める。 (1)超臨界CO2岩石内の挙動が界面張力・粘性・濡れ性の依存性を調べる。 岩石間隙内の複雑流れの挙動に大きい影響を与えるキーパラメータは二相流の界面張力及び粘性と岩石の濡れ性である。これらのパラメータを調整し、超臨界CO2のdrainageおよびimbibitionシミュレーションを行う。計算結果によるCO2の圧入有効性及び残留クラスターの形状、表面積などを評価指標として、パラメータの依存性を調べる。CO2圧入する際の最適なパラメータを割り出すことに挑戦する。 (2)CO2トラッピングメカニズムの解明及び安全評価を行う。 シミュレーション結果による、鉱物化及びキャピラリトラッピングで貯留したCO2の定量的な解析を行う。今回新しく開発した計算手法の有効性を検証する。またポアスケールで得られた結果を従来のマクロモデル(貯留層シミュレーター)の結果と融合し、より正確且つ信頼性の高い情報をCO2地中貯留における安全評価に提供する。
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