2014 Fiscal Year Annual Research Report
月惑星初期進化の実証的解明をめざしたカリウム・アルゴン年代その場計測法の開発
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26887040
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
長 勇一郎 立教大学, 理学部, ポストドクトラルフェロー (00737687)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2015-03-31
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Keywords | カリウム・アルゴン年代 / 惑星探査 / LIBS / 発光分光 / 定量分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、惑星探査におけるカリウム・アルゴン年代計測装置の開発を目指して一連の実験を行った。これまでの研究で用いてきた分光器を使った実験では、岩石中に大量に含まれるシリコン発光輝線がカリウム輝線の近くに存在し、両者を分離することができなかった。このことが、高精度のカリウム計測の阻害要因となっていた。そこで平成26年度の研究では、高波長分解能の分光器を導入した。 これを用いて、既知のカリウム濃度をもつガラス試料9種類にレーザーを照射し、発光スペクトルを取得した(K2O=0.03~4.37 wt%)。その結果、半値幅約0.15 nmの高分解能発光スペクトルが得られるようになり、カリウムの発光輝線のみを分離・取得することができるようになった。 この分光器を用いて、10 mJから35 mJまでのレーザーエネルギーにおいて、カリウムの定量実験を行った。その結果、300 ppmという低いカリウム濃度をもつ試料に対しても、20 mJのレーザーエネルギーでカリウム発光輝線を計測することができた。この結果は、惑星探査機に搭載される小型のレーザーによっても微量のカリウムを検出できることを示唆する。また、9種類の標準試料を計測することで、カリウムの検量線を取得した。この検量線を用いた定量分析の結果、1.5 wt%程度のカリウムが20%より良い確度で求められ、5000 ppm程度のカリウムが40%程度の確度で定量可能であることが分かった。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] High-precision potassium measurements using laser-induced breakdown spectroscopy under high vacuum conditions for in situ K-Ar dating of planetary surfaces2015
Author(s)
Yuichiro Cho, Seiji Sugita, Shingo Kameda, Yayoi N. Miura, Ko Ishibashi, Sohsuke Ohno, Shunichi Kamata, Tomoko Arai, Tomokatsu Morota, Noriyuki Namiki, Takafumi Matsui
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Journal Title
Spectrochimica Acta Part B: Atomic Spectroscopy
Volume: 106
Pages: 28-35
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] An In-situ Dating Instrument Package for a Future Mars Rover Mission2015
Author(s)
Yuichiro Cho, Shingo Kameda, Yayoi N. Miura, Yoshifumi Saito, Shoichiro Yokota, Satoshi Kasahara, Ryuji Okazaki, Kazuo Yoshioka, Kazuo Shibasaki, Takahiro Oishi, Misako Umeyama, Seiji Sugita.
Organizer
30th International Symposium on Space Technology and Science
Place of Presentation
Kobe International Conference Center, Kobe, Hyogo, Japan
Year and Date
2015-07-09
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[Presentation] 月惑星探査における年代その場計測を目指した開発2015
Author(s)
長 勇一郎, 芝崎 和夫, 梅山 未紗子, 大石 峻裕, 亀田 真吾, 三浦 弥生, 吉岡 和夫, 齋藤 義文, 横田 勝一郎, 笠原 慧, 吉光 徹雄, 岡崎 隆司, 大竹 真紀子, 諸田 智克, 古賀 すみれ, 杉田 精司
Organizer
日本地球惑星科学連合2015年大会
Place of Presentation
幕張メッセ国際会議場(千葉県・千葉市)
Year and Date
2015-05-25
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[Presentation] 年代計測装置CHRONICLEによる火星表面年代のその場計測2015
Author(s)
長 勇一郎, 亀田真吾, 三浦弥生, 齋藤義文, 横田勝一郎, 笠原慧, 岡崎隆司, 吉岡和夫, 芝崎和夫, 梅山未紗子, 大石峻裕, 杉田精司
Organizer
宇宙科学シンポジウム
Place of Presentation
宇宙科学研究所(神奈川県・相模原市)
Year and Date
2015-01-06
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