2014 Fiscal Year Annual Research Report
分子レセプターを修飾した有機薄膜トランジスタ型センサーデバイスの開発
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26888002
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
南 豪 山形大学, 理工学研究科, 助教 (70731834)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 超分子化学 / 分子認識 / 有機トランジスタ / センサー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,人工分子レセプターをもつ有機薄膜トランジスタ型センサーデバイスの開発をおこなうことである。平成26年度は以下の内容を検討した。 1)低電圧駆動有機トランジスタの作製:水中の標的分子を検出するためには,有機トランジスタが低電圧で駆動する必要がある。そこで,数ボルト以下で駆動可能な有機トランジスタを作製した。得られたデバイスは, 3 V以下で駆動可能であり,繰り返し測定にも耐え得る安定性を示した。そこで以下の物質の検出検討をおこなった。 2)カチオンセンシング:カチオン性分子の代表例となるアンモニウム誘導体の検出をおこなった。具体的には,有機トランジスタの延長ゲート電極上にカルボキシル誘導体を修飾し,水中に存在するヒスタミンを静電相互作用及び水素結合を用いて捕捉を試みた。その結果,ヒスタミン濃度増大に伴うトランジスタの電気特性のシフトが観測された。これにより,有機トランジスタを用いることで,水中に存在する生体アミンを検出できることが見出された。 3)中性分子 (糖) センシング:水中に存在する糖類の検出を有機トランジスタを用いて検出した。延長ゲート電極上に人工糖レセプターとして知られるフェニルボロン酸誘導体を修飾し,当該電極を水中に浸漬させ,単糖類(グルコース,フルクトース,ガラクトース,マンノース)に対する応答を調査した。その結果,糖類の添加に伴うトランジスタ特性の変化を観測し,中でもグルコースに対して最も強い応答を示すことがわかった。以上のように,中性分子である糖も有機トランジスタを用いて検出可能であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
低電圧で駆動可能なトランジスタを作製することができ,かつそれを用いてカチオン性分子や糖などの検出が可能であることを見出すことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
カチオン種や糖に代表される中性分子の検出をおこなうことができたので,平成27年度は生物学的に重要なアニオン種の検出を試みる。
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Research Products
(28 results)