2014 Fiscal Year Annual Research Report
カチオン-π相互作用を鍵とした芳香族C-H活性化反応の開発
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26888009
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩本 貴寛 京都大学, 化学研究所, 助教 (50735355)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2015-03-31
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Keywords | C-H官能基化 / カチオン-π相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、カチオン-π相互作用を鍵とした芳香族C-H官能基化反応の開発を目指し検討を行った。従来のC-H官能基化反応の多くは、配位性官能基と遷移金属触媒との相互作用を鍵としている為に、基質は配位性官能基を持つものに限られる、かつ配位性官能基から空間的に離れた位置でのC-H官能基化は困難であるといった欠点があった。本研究ではこれらの問題を克服するために、1)配位性官能基を必要としない反応、2)カチオン-π相互作用による基質の活性化と認識を利用した高選択的な反応の二点に焦点を当てた触媒設計を行った。触媒設計の鍵は金属カチオンを取り込むためのアザクラウンユニットを持つ点であり、まず理論計算によりアザクラウンユニットと遷移金属に対する配位子となるユニットを繋ぐリンカー部分の最適化を行った。得られた知見に基づいて、アザクラウンユニットを持つ配位子の合成を行ったところ、様々な長さのアルキル基をリンカーとする配位子の合成に成功した。また、柔軟なアルキル基に加えて、剛直な芳香環をリンカーとする配位子を合成することにも成功した。特に、開発した合成法はアザクラウンを原料として短工程での合成が可能であると共に、グラムスケールでの合成も可能であったことから、今後多彩な配位子の設計、合成を行う上で有用なものになると考えている。今後は、実際のC-H官能基化反応を行い、本触媒系の有用性を実証すると共に、得られた知見を触媒設計にフィードバックすることで高効率、高選択的でかつシンプルな触媒の開発を行う。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Remarks |
論文(org/10.1246/bcsj.20140376)はBCSJ賞受賞、および京都新聞に掲載(http://www.kyoto-p.co.jp/environment/article/20150330000038)
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Investigation of Organoiron Catalysis in KumadaTamaoCorriu-Type Cross-Coupling Reaction Assisted by Solution-Phase X-ray Absorption Spectroscopy2015
Author(s)
Hikaru Takaya, Sho Nakajima, Naohisa Nakagawa, Katsuhiro Isozaki, Takahiro Iwamoto, Ryuji Imayoshi, Nicholas J. Gower, Laksmikanta Adak, Takuji Hatakeyama, Tetsuo Honma, Masafumi Takagaki, Yusuke Sunada, Hideo Nagashima, Daisuke Hashizume, Osamu Takahashi, Masaharu Nakamura
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Journal Title
Bull. Chem. Soc. Jpn.
Volume: 88
Pages: 410-418
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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