2014 Fiscal Year Annual Research Report
新規プラスチックナノメディシンによる抗腫瘍新生血管療法の開発
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26888014
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
小出 裕之 静岡県立大学, 薬学部, 助教 (60729177)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2015-03-31
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Keywords | ナノ粒子 / VEGF / がん / 糖 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、新生血管構築の主要タンパク質であるVEGF165 に対するプラスチック人工抗体を合成することで、血管新生を阻害し、抗体医薬に変わる新規がん治療薬の開発を目的としている。 VEGF165に親和性を示すナノ粒子は、N-isopropylacrylamide(NIPAm)を主成分として、疎水性モノマーであるN-tert-butylacrylamide(TBAm)、架橋剤であるN,N'-methylenebisacrylamide(Bis)、そしてヘパリン類似モノマーである3,4,6位に硫酸基をつけた3,4,6 tri-sulfate GlcNAc (3,4,6S-GlcNAc)を用い合成した。VEGF165とナノ粒子の相互作用を解析した結果、ナノ粒子内の3,4,6S-GlcNAcの比率増加に伴い、VEGF165との結合が強くなるわけではなく、最適な添加量が存在することが明らかになった。さらに、VEGF165とナノ粒子の結合には3位の硫酸基が最も寄与していることが示唆された。ヒト新生血管モデル細胞であるHUVECを用いたin vitro検討では、ナノ粒子が、VEGF165依存的な細胞増殖を顕著に抑制することを明らかにした。さらに、VEGF165依存的なVEGFR-2のリン酸化も抑制されていることを明らかにしている。また、ナノ粒子のみを添加した群においては、生細胞数に影響しかったことから、ナノ粒子自体の毒性は低いことが示された。つまり、ナノ粒子はVEGF165に結合し、VEGF165とVEGFR-2の相互作用を阻害することで、VEGF165依存的な細胞増殖を抑制することが示された。以上より、VEGF結合能を有するナノ粒子は、がん血管新生障害療法に有用であることが示唆された。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)