2015 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロフロー化学を応用した含SS結合タンパク質の効率的フォールディング手法開発
Project/Area Number |
26888016
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
荒井 堅太 東海大学, 理学部, 助教 (60728062)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | マイクロリアクター / フォールディング / ジスルフィド結合 / インスリン |
Outline of Annual Research Achievements |
タンパク質の天然構造構築反応(フォールディング)にはチオール基をもつシステイン間でのジスルフィド(SS)結合の形成が連動する。この酸化的フォールディング反応は試験管内においてゆっくりと進行するうえに正しい天然構造を高収率で得ることは難しい。本研究課題では、効率的な熱伝導、迅速な分子拡散を可能にするマイクロフロー反応場(マイクロリアクター、MR)を利用し、一般的なSS架橋試薬によるSS結合形成を物理的に加速させることで、誰もが迅速かつ効率的にフォールディング反応を行うことのできる新手法の確立を目指した。初年度は分子内に4個のSS結合を有する単純な一本鎖タンパク質をモデルタンパク質として、研究ノウハウを蓄積するとともに、フォールディング反応に対するMRを用いた新手法の有効性を検討し、一定の成果を得た。そこで二年目は本手法の汎用性を示すため医療分野においても重要なインスリンの効率的なフォールディング手法の開発を試みた。インスリンは2本のペプチド鎖(A鎖およびB鎖)が2つのSS結合で架橋されたヘテロ二量体構造をもち、分子間でのSSカップリングは一般的に困難である。故に、MRによってA鎖およびB鎖を効率よく直接的にカップリングできれば、インスリンの人工調製工程を簡略化し、安価なインスリン製剤の市場供給を可能にするものと考えられる。 還元処理によってSS結合が開裂しインスリンのA鎖およびB鎖を得たのち、各ペプチド鎖の溶液をMR流路へそれぞれ流入し、フロー系内で反応を進行させた。一般的なチューブ内おける条件とMR法で得られたフォールディング収率および速度を比較したところ、期待通り、MR法を用いることで、反応速度を向上させることができた。これは、マイクロ流路において、分子拡散速度が促進され、インスリンA鎖およびB鎖間で効率的な分子間カップリング反応がなされたためであると考えられる。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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