2015 Fiscal Year Annual Research Report
地震荷重を受けた構造用金属材料の表面粗さ測定に基づく疲労損傷評価手法の提案
Project/Area Number |
26889001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤村 奈央 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40732988)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 疲労損傷評価 / 表面粗さ / ステンレス鋼 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,地震荷重を受けた材料の疲労損傷量を繰返し塑性変形によって変化する材料の表面粗さに基づいて評価する手法の提案を目的として,地震波に含まれる様々なひずみ速度の波を考慮するため,ひずみ速度が疲労特性や表面粗さの変化に及ぼす影響を明らかにすることを目指している.本年度は,オーステナイト系ステンレス鋼SUS316NGを対象として過去に採用したひずみ速度の10倍の条件で低サイクル疲労試験を実施し,過去の試験結果と比較して疲労寿命および表面粗さの変化におけるひずみ速度の影響について検討した.具体的な検討内容を以下に示す. 1.ひずみ速度が疲労寿命に及ぼす影響を明らかにするため,室温大気中において種々のひずみ範囲の下,ひずみ速度4%/secで低サイクル疲労試験を行い,疲労寿命を得た.そして,これまでの研究で取得したひずみ速度0.4%/secでの試験結果と比較した.その結果,両ひずみ速度条件で取得した疲労寿命がよく一致した.このことから,SUS316NGの室温大気中での低サイクル疲労において,10倍程度のひずみ速度の変化は疲労寿命に影響を及ぼさないことが明らかになった. 2.ひずみ速度が表面粗さの変化に及ぼす影響を調べるため,2種類のひずみ範囲の下,ひずみ速度4%/secで疲労試験を実施し,試験中,定期的にレーザー顕微鏡を用いて表面粗さを測定した.その結果,表面粗さは繰返し数の増加に伴って増加し,その増加率は小さなひずみ範囲の方が小さかった.これらの結果は0.4%/secにおいても同様に確認され,2種類のひずみ速度条件における表面粗さの測定結果を比較すると,両ひずみ速度条件での増加傾向は類似した.一方,各ひずみ速度条件での測定値にはばらつきがあり,ひずみ速度の影響の有無を判定し得る明確な違いは確認できなかった.この問題については今後統計学的検討を行い,影響の有無を明らかにする.
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)