2014 Fiscal Year Annual Research Report
温度分布可視化による高温超伝導コイルのクエンチ耐性の改善
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26889005
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
土屋 雄司 東北大学, 金属材料研究所, 研究支援者 (50736080)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 超伝導マグネット / クエンチ保護 / 高温超伝導線材 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の高温超伝導REBCO線材の実用化以降、無冷媒超伝導マグネットの研究開発が急務である。特に、高温超伝導REBCOコイルにおけるホットスポット発生による高温超伝導線材の劣化を防止することが必要不可欠である。本研究では、高温超伝導REBCOコイルにおけるクエンチ発生時の温度分布をリアルタイムで可視化することにより、クエンチ耐性向上に関する知見を得ることを目的としている。 本年度は、REBCOコイルにおいて外挿超伝導マグネットの強制クエンチにより外部磁場を急激に減少させた際の電磁気応答を測定し、REBCOコイルにおけるクエンチ発生時の温度が低いほどホットスポットによる抵抗発生が大きく急峻であることを明らかにした。さらに、REBCO線材の特性を考慮した熱電磁気数値シミュレーションから、REBCOコイルにおけるクエンチ発生時の温度が低いほどホットスポット領域が狭く温度上昇が大きいことを示した。また、温度分布可視化に向け温度可視化に用いる蛍光物質Eu-TFCにおける蛍光強度が磁場に依存しないことを確認し、東北大学金属材料研究所強磁場超伝導材料研究センターにおいて強磁場・低温・大電流下で温度分布を可視化するための実験装置の立ち上げを行った。今後は、この装置を用いることで、REBCOコイルのクエンチ時の温度分布リアルタイム観察を行い、REBCOコイルにおけるホットスポット発生箇所・熱伝導経路を明らかにすることでクエンチ耐性向上に向けたコイル構造を提案する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、東北大学金属材料研究所強磁場センターにおいて強磁場・低温・大電流下で温度分布を可視化するための実験装置の立ち上げを行うとともに、高温超伝導REBCOコイルのクエンチ時の電磁気応答の測定と熱電磁気シミュレーションによる温度分布の数値計算を行うことに成功したため。
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Strategy for Future Research Activity |
強磁場低温大電流下温度可視化装置を用いることで高温超伝導REBCOコイルにおけるクエンチ時の温度分布のリアルタイム観察を行うとともに、REBCOコイルのクエンチ耐性を改善したコイル構造を提案する。
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