2015 Fiscal Year Annual Research Report
金属薄膜磁性の電界変調効果の増大を目指した材料開発
Project/Area Number |
26889007
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
金井 駿 東北大学, 電気通信研究所, 助教 (40734546)
|
Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
|
Keywords | スピントロニクス / エレクトロニクス / 磁気メモリ |
Outline of Annual Research Achievements |
磁性体メモリの動作電力が高集積化に伴い急速に増大する問題を解決するため、スピン注入磁化反転方式を用いた磁気トンネル接合の研究が盛んになっている。これにより、ナノ・メートル・オーダのサイズの磁性体のメモリ・デバイス動作が実証され、現在実用化に向けた研究が行われている。申請者はこれまでに、スピン注入磁化反転方式とほぼ同様の素子構造において更に数百倍小さな消費電力で動作可能な「電界誘起磁化反転」を原理実証したが、この磁化反転方式は情報保持時間や書き込みエラーの問題等を抱えている。これは磁気特性の電界変調量が小さいことが最大の原因である。さらに、現在電界による磁化反転時の消費電力は磁化反転に実質的に寄与しないジュール熱が支配しており、その潜在的ポテンシャルから2桁以上消費電力の観点から非効率である。本研究では、材料開発によりこれらの問題解決を目指す。昨年度は初年度であり、磁気異方性およびその電界変調量の評価手法の確立を行った。本年度は最終年度であり、電界効果の薄膜成膜条件および、電界効果の新規応用の可能性について調べた。 電界による磁化反転時にジュール熱として磁気トンネル接合(MTJ)素子で消費されるエネルギを減少するため、絶縁膜膜厚を厚くし、従来のMTJよりも1000倍以上高抵抗の素子構造を作製した。電界による磁化反転を示す、パルス電界継続時間依存性に対する磁化反転確率の明瞭な振動が観測された。印加電圧と絶縁膜を最適化することにより、6 fJ/bitという世界最小の動作時消費電力を達成した。 新規絶縁膜を用いた素子構造を用いた材料開発を行い、新たな垂直磁化材料/構造を発見した。 磁区観察によりCoFeB/MgOの交換スティフネス定数を測定し、電圧印加により交換スティフネス定数が変化することを報告した。
|
Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(17 results)