2014 Fiscal Year Annual Research Report
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26889023
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡邉 保真 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60736461)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 航空宇宙工学 / 高速流体力学 / 放電プラズマ / 極超音速風洞 / 空力制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は主として、①半球形模型よどみ点近傍での直流アーク放電による気流への影響と磁場印可時の気流制御特性把握のための実験、及び、②対応する数値解析による気流への影響を流れ場と電流、磁場の連成解析により調査した。 極超音速流中での鈍頭形状前方での抗力低減を目指した、直流アーク放電と磁場による気流制御特性解明の実験的アプローチである①に取り組んだ。実験では耐熱樹脂と耐熱セラミックを組み合わせた半球模型よどみ点で直流アーク放電を生成し、電流ベクトルと垂直方向に0.01~0.2Tの磁場を、模型内部に設置した小型ネオジウム磁石を用いて印可した。また、磁場強度を補助するためマッハ7極超音速気流外部に設置する一対の水冷式コイル・磁路複合装置を併せて製作した。放電を行わない場合、放電のみを行い磁場を印可しない場合、そして放電に対して磁場を印可した場合それぞれの実験を行った。実験時はシュリーレン法による衝撃波位置変動の可視化計測、半球よどみ点近傍における圧力及び温度計測を行い、放電と磁場による気流への影響を調査した。実験の結果、放電による気流制御を行わない場合に比べて、放電、更には磁場を印可した場合に僅かではあるが衝撃波位置の変動、よどみ点下流位置での圧力の減少が観測された。数値解析的アプローチである②として流れ場変動の詳細を調べるため、2次元問題を仮定し2温度11化学種モデル、電場に関するポアソン方程式、弱電離プラズマに対する電気抵抗率のモデルを組み合わせた連成解析を行った。数値解析の結果、放電及び磁場印可によって衝撃波形成位置はあまり変動せずやや上流に位置が変わるのみであるが、ローレンツ力により壁面での圧力が減ずる事が判明した。 本手法の制御効果の応用例として、極超音速機のボディーフラップを模した二重くさび形模型も製作し、半球での気流制御特性調査と並行して実験も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は年次計画通り、半球よどみ点での直流アーク放電と印可磁場による流れ場への影響の実験的把握を行った。更にこれらに対応する流れ場、プラズマ、電場に対する熱化学非平衡数値シミュレーションを行い、流れ場制御効果の詳細を調査した。また、本手法の応用例として極超音速機のボディーフラップを模した二重くさび形表面形状における気流制御効果についても追加で実験を行い、気流制御効果を調べた。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は当初の計画通り、本年度までに解明した放電及び印可磁場による気流制御効果への理解を基に、極超音速機が巡航姿勢を変化させた場合に相当する気流方向が角度を持った場合での気流制御効果への影響を調査する。 更に、本手法の要となる抗力低減効果を解明する為、放電及び磁場印可時の模型に係る抗力計測を行い、本手法による極超音速機抗力低減効果の有用性について調査する。
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