2014 Fiscal Year Annual Research Report
自己相似性と自己合同性に基づく階層的1対多辞書を用いた画像超解像
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26889031
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
吉田 太一 長岡技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60737914)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 画像処理 / 画像超解像 / 事例学習辞書 / 基底の疎表現 / 画像の自己相似性 / 画像の自己合同性 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度では,当初の計画どおりマルチ解像度での1対多辞書の基本構造を実現し,画像超解像において従来手法の欠点であったテクスチャの復元に対しておおむね良好な結果を達成できた. マルチ解像度での1対多辞書とは,1つの基底に対して複数の上位および下位解像度での基底を対応させた辞書である.様々な画像特徴およびテクスチャを有した複数画像から複数のマルチ解像度画像を作成し,それらを用いて学習を行ない,1対多辞書を作成する.それを用いて,基底による入力画像の近似から複数の上位解像度画像候補を得,それらから下位解像度基底との相似性等を用いて上位解像度画像の推定できる.また,辞書を用いた推定は多くの計算が必要であるので,処理の高速化を目的として,本辞書の適用を画像の局所変化が顕著な領域のみに限定し,辞書作成も局所変化が激しい領域のみから行なっている. 本研究で得られた辞書作成の知見は,画像超解像だけでなく他の画像処理へ応用が可能であり,その重要性は高い.例えば,複数の露光時間で撮影した画像を合成する多露光画像合成において,本研究でのマルチ解像度をマルチ露光時間として発展させる事で,当該年度で得られた知見が応用できる.この様に,本研究成果は新たな画像超解像手法の1段階だけでなく,画像処理における基礎理論としても価値がある. 今後は,1対多辞書を用いた画像超解像手法において,自己相似性と自己合同性を基にして推定精度の向上を図り,計画書の目的を達成させる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在までの達成度は,当初の計画に対して80%程と自己評価する.初年度計画の根幹である階層的1対多辞書を実現し,従来手法の欠点であったテクスチャの復元においておおむね良好な結果を達成できた.しかし,復元が達成できていないテクスチャ形状も存在し,また対外的な成果を示していない.以上を鑑みて「やや遅れている.」と判断する.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は当初の計画どおり,自己合同性を基にした共起性情報の確立とそれを用いた局所領域推定の精度向上に着手する.すでに,基本となる辞書構造は実現しているので,当初の計画どおり着手は可能でありまた初年度で達成できなかった範囲の解決とも並列が可能である.こちらは主に大学院生の協力をおおいに活用して進捗を図る.これら2つの取り組みから得られた知見を相互に活用する事で計画どおりの進捗が達成できる.
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Research Products
(2 results)