• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2014 Fiscal Year Annual Research Report

稠密結晶層電極/固体電解質界面における非線形輸送現象の評価解析に関する研究

Research Project

Project/Area Number 26889032
Research InstitutionShinshu University

Principal Investigator

田中 厚志  信州大学, 学術研究院工学系, 教授 (30417878)

Project Period (FY) 2014-08-29 – 2016-03-31
Keywordsイオン伝導 / 結晶層電極 / 固体電解質 / 接合界面
Outline of Annual Research Achievements

〔研究の狙い〕本研究においては、高性能全固体電池を実現しようとした場合に不可避な固体電極/固体電解質の界面における伝導特性を明らかにすることを目的としている。通常の2次電池の電極は、電子伝導を確保し、一方で電気化学的な反応を進行させるため、電極活物質と電極助剤を混合した合剤電極を用いる。通常、合剤電極では電極と電解質の界面で生じる電気化学的反応を促進するため、粒径の小さい粉末を活物質として用い、電子伝導を担う電極助剤を添加する。しかしながら2次電池に蓄積できるエネルギーの高密度化のためには、電極を構成する活物質の割合を高める必要がある。研究協力者の信州大学の手嶋勝弥教授の研究室では、活物質の割合を理想的に高めた稠密結晶層電極を形成することに成功している。この稠密結晶層電極では、電極活物質では、単位当たり電解質と接する界面の面積が合剤電極に比べ限られることから、固体電極/固体電解質の界面を制御し、十分良好なイオン伝導を確保することが重要となる。かかる観点から稠密結晶層電極/固体電解質の界面の特性評価を進めることが本研究の狙いである。
〔研究実績1 固体電解質薄膜の成膜検討〕
稠密結晶層電極材料の試料の上層に、固体電解質の薄膜を形成するための準備を進めた。Liを含む酸化物系の電解質材料をスパッタ成膜することを検討した。本研究において用いる試料は、研究協力者の研究グループの支援を受けて多元系のスパッタ装置を用いて電解質の組成を制御、最適化することとした。
〔研究実績2 測定系の立ち上げ〕
固体電極/固体電解質界面におけるLiイオンのホッピング伝導に係る励起エネルギーを評価できるよう、マイナス60度まで測定可能な評価系を立ち上げ、インピーダンス特性の温度変化を測定した。簡単な被測定系では、モデルを用い、測定されたインピーダンスの特性の切り分けを行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

〔積層体の形成〕稠密結晶層のサンプルの上に、固体電解質をスパッタすることで、稠密結晶層/固体電解質の界面を形成できることが基本的に確認できた。特に、Liを含む固体電解質の薄膜では、成膜後も雰囲気を制御し、水分の濃度を一定以下に維持し、試作プロセスを進めることが必要となる。このため、パスボックスを有するスパッタ装置を用い、この条件を満たした。
〔積層体のイオン伝導の確認〕上記の積層体にさらに有機電解質、負極のLiシートを積層し、このフルセル積層体においてLiイオン伝導を確認することができた。基本的な電池動作も確認できた。
〔インピーダンス測定の確認〕
もっともプリミティブな電池の充放電特性を確認した。また、インピーダンス測定を実施し、試験的にモデルにより活物質の抵抗、界面起因の抵抗、電解質の抵抗に起因すると思われるインピーダンス成分を確認することができた。また、試料雰囲気の恒温槽の温度を変えることで、特性の温度依存性を測定できることを確認した。
以上により、被測定試料の準備と、測定系の準備を進め、それぞれが基本的に有効に機能することを確認した。

Strategy for Future Research Activity

〔試料の構造検討とプロセス検討〕稠密結晶層の正極電極上に、固体電解質をスパッタ成膜し、活物質/固体電解質の界面を形成し、その特性を評価解析する。研究協力者の支援を受け、フラックス法で成長した稠密結晶層電極上に、固体電解質としてLiNbO3あるいは、Li3BO3などを成長させることを検討している。さらに、負極電極とのコンタクトを十分にするために、必要に応じて有機電解質を介して固体電解質と負極電極を積層する。ただし、解析の容易性などを考えた場合には、積層は単純な構造が好ましい。
稠密結晶層電極/固体電解質の界面を有するLIBを形成することを目標とする。
〔ACインピーダンス測定による界面評価〕上記試料に対して、ACインピーダンス測定により、界面特性を評価する。電解質に関しては通常の有機系の電解質との比較を行い、固体電極/固体電解質の界面に特有の特性を明確化する。
〔大電流密度領域におけるイオン伝導の解析〕さらに稠密結晶層電極/固体電解質の界面におけるイオン伝導の現象を解析するために、電流密度依存性を測定解析する。このため、前述の積層体の構造についても必要に応じて検討を加え、解析対象の界面の構造を寄り明確に定義されたものとする。
以上の研究推進方策により、当初の目的とする稠密結晶層電極/固体電解質の界面のデザインに資する知見を得る。

URL: 

Published: 2016-06-01  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi