2015 Fiscal Year Annual Research Report
インパクトフレッティング試験による生体材料の腐食摩耗挙動の解明
Project/Area Number |
26889047
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
佐藤 善紀 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20739362)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | フレッティング / 摩耗 / 腐食 / ステンレス / 生体材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
実際の機械要素において生じる荷重は微小な偏心,偏荷重に伴う振動や,突発的に生じる振動によるものがあり,その場合は動的であると推測される.トライボロジーにおいては,摩擦により表面に作用する応力,疲労,新生面の化学的作用等,様々な因子が複雑に組み合わされることで摩耗が生じており,動的荷重時の影響が無視できないとすれば,これらについての対策は急務である. よって本研究では,インパクトフレッティング試験装置を開発,実験を行い,人工股関節部において生じる腐食摩耗量の定量化を検討した. 本研究で開発されたインパクトフレッティング装置は,腐食環境下において実験可能であり,ポテンショスタットを用いることにより,腐食摩耗特性について電気化学的なアプローチが可能である.また,制御周波数は最大50Hz,最大荷重25N,最大振幅100umと,従来のインパクトフレッティング装置と比較して幅広い条件による検討が可能となった.これを用いた腐食環境における摩耗試験により,一定荷重のフレッティングに比べ,インパクトフレッティングでは表面電位の低下量及び摩耗量が数倍になる結果が得られた.これらの結果から動的荷重及び酸化時間の影響が明確に示された. また,SUS304鋼,SUS316L鋼,CoCr合金についてポテンショスタットを用いた分極試験を行い,それらの腐食特性について検討を行った.どの材料でも新生面の腐食速度は,安定な通常の面に比べ1000倍以上の速度を示した.また,通常面の耐食性はSUS316L>SUS304>CoCrとなる結果が得られたが,一方で新生面の場合ではCoCr>SUS304>SUS316Lとなった. これらの結果は人工股関節といった生体材料など,腐食環境下における構造材料の選定において,有用な知見になるものと考えられる.
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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